News 2001年1月17日 10:12 PM 更新

Lotus,次世代Webクライアント「iNotes」をアピール

Lotusphere 2001では,Notes/Dominoの次世代Webクライアント「iNotes」の詳細を知ることができる。進化したユーザーインタフェースと使いやすい印刷機能は,他社製品と一線を画すものだ。

 米フロリダ州オーランドで開催中の「Lotusphere 2001 Orlando」では,昨年からアナウンスされていたNotes/Dominoの次世代Webクライアント「iNotes」の大々的なデモンストレーションが行われている。次世代Dominoに実装されると見られていたiNotesは,英語版が今年2月にリリースされ,「Notes R5」ユーザーはライセンスフリーで利用できるようになる予定だ(もちろんクライアントアクセスライセンスは必要)。さらに,これを機能アップしたものが,「Domino」の次期メジャーリリースに実装されるという。

 iNotesは,ダイナミックHTML,XML,ActiveXコントロール,Javaアプレットなどを駆使し,Windows専用のクライアントプログラムに匹敵する操作性を持つWebクライアント機能。実際に目にしたユーザーインタフェースは,本来のNotes R5クライアントよりも使いやすそうに見えるほどだ。ドラッグ&ドロップや右ボタンメニューなど,これまでのWebクライアントでは実現されていなかったような機能も利用できるようになっている。

 メール,スケジューラ,タスク管理,アドレス帳,メモ帳といった機能を利用する上で,抵抗感を感じる部分は見受けられない。またオフライン時の利用についても考慮されており,Domino Offline Service(DOLS)を用いることで,外出時にも問題なく情報の参照,メールやスケジュール情報などの投稿といった作業を行える(DOLSはプロキシとして間に入り,オフライン時にサーバと同じように振る舞うことで,オフライン時もシームレスにサービスを利用可能にする機能)。

 Webアプリケーションでは問題となることが多い印刷機能に関しても,一工夫加えることで,ほかの同種サービスとは一線を画すものに仕上がっていた。カスタマイズされたフォームは,ダイナミックHTMLを使わないプレーンなHTMLとして別ウインドウにいったん出力し,それを印刷するようにした。またカレンダービューの印刷では,印刷スタイルを選択すると,そのフォーマットに合わせてPDFファイルとして出力される。出力されたPDFは,iNotes上(すなわちWebブラウザ上)で印刷プレビューとして開かれ,Acrobat Readerが持つPDFプラグインの機能を用いて印刷を行うようになっている。

 XMLへの対応により,サーバの負荷も大きく引き下げることに成功しているという。XMLを用いれば,データ部分のみを送受信することが可能になるため,データのロードが行われるたびにページ全体を生成する必要がなくなるからだ。

 iNotesを利用可能なサーバプラットフォームは,Windows NT4.0 ServerおよびWindows 2000 Server,AS/400,Solaris 2.7,2.8。追ってS/390版とAIX版もリリースされる。

 クライアントはWindows版のInternet Explorer 5.01SP1以降およびWindows版Netscape Navigator 4.7をサポート。

 ただしNetscape Navigatorでは,iNotesの持つ機能はすべて利用できるものの,ユーザーインタフェースが多少劣るようだ。また専用のプラグインを用いるため,ActiveXコントロールをネット経由で配布可能なInternet Explorerと比較すると管理者の仕事が増えるというマイナス面もある。

 Lotusは,iNotesの投入で,既存のNotes利用企業に所属する非Notesクライアントユーザーに対するプロモーションを強めていく考えだ。

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[本田雅一, ITmedia]

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