News 2001年3月1日 11:57 PM 更新

携帯端末で地上波デジタル放送──TBSなどが公開実験

TBSやNTTドコモなど5社は,地上波デジタル放送の公開実験を実施。携帯端末でテレビ番組を受信したり,iモード端末でクイズ番組に参加することが可能だ。

 NTTドコモ,NTTデータ,TBS,北海道放送ならびに博報堂の5社は3月1日,地上波デジタル放送の公開実験を行った。携帯端末向けのMPEG-4ムービー配信や,iモード端末と連動したクイズ番組など,地上波デジタル放送の特徴を活かした移動体通信向けのサービスが紹介された。なお,地上波デジタル放送は2003年のサービス開始が予定されている。


移動体にも番組を配信できるのが地上波デジタル放送の特徴。固定テレビではMPEG-2,移動体ではMPEG-4形式の番組を見ることが可能

 実験では,東京タワーから出された放送波を田町グランパークタワーに設置したPCで受信。そこでOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式に変調された信号をテレビ放送用に復調し,会場内のプロジェクターにはMPEG-2形式で,携帯端末にはMPEG-4形式で番組を映し出していた。


左側はプロジェクターでMPEG-2形式の番組を表示したもの。右側では,携帯端末の画面をプロジェクターに映し出している


会場に参考出展されていた東芝製の次世代携帯電話。モックアップのため,PCで復調した映像をディスプレイにはめ込んでいる。まお,携帯端末単体で地上波デジタル放送を受信するには,OFDMデコーダのほか,ラジオモジュールなどを搭載する必要がある

 TBS技術局デジタル設備計画部の大吉なぎさ氏は,「地上波デジタルでは,移動中でも384Kbpsで映像を受信することができ,電車の中でMPEG-4のドラマを見ることが可能。また,カーナビで見たいというニーズも大きいはずだ」と話す。また,今回の実験では,将来の実用化をにらみ,地上波デジタル放送の1チャンネル(13セグメント)のうち1セグメントを携帯端末用に部分受信しているという。「1セグメントだけを部分受信すれば,(13セグメント受信するよりも)消費電力を抑えることが可能になる」(同氏)。

 なお,携帯端末向けのOFDMデコーダは,富士通がワンチップのLSIを開発。年末にもサンプル出荷を始めるとしている(2月6日の記事参照)。

iモードでクイズ番組に参加

 また,iモード端末との連携企画として,実験では「すしKING」という番組のデモンストレーションが行われた。これは,北海道のすし屋を紹介するという番組の中で,レポーターが出す問題に視聴者がiモード端末で答えることができるというもの。iモード端末を持っていた会場の報道陣や関係者などが実験に参加した。


番組の中でこのように問題が出される


事前に番組に自分の携帯電話を登録しておけば,iモード端末から回答することができる。要は,「アンサーチェック」で有名なあのクイズ番組を,全国のお茶の間で体験してもらおうということ

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[中村琢磨, ITmedia]

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