News | 2001年3月28日 08:56 PM 更新 |
スピードネットは3月28日,東京電力を引き受け先とした第3者割当増資を4月下旬に実施することを発表した。増資額は50億円。これにより,スピードネットへの出資比率は東電が77.13%を占め,同社の連結対象子会社となる。スピードネットは,1999年8月にソフトバンク,東電,米Microsoftなどの合弁会社として設立され,当初は3社の出資比率が拮抗していた。
今回の増資についてスピードネット側は,「われわれの事業形態は通信インフラの整備が主であり,光ファイバーというリソースを持つ東電との連携を強めることが有効に働くと判断した。といっても,ソフトバンクやMicrosoftとの関係が終わるわけではない」と強調。東電側も「われわれだけでは技術・ノウハウともに限りがある。営業面・コンテンツ面などで,今後もソフトバンクやMicrosoftと協力していく」と話している。
増資後の出資比率は以下の通り。
会社名 | 出資比率(%) |
東京電力 | 77.13 |
ソフトバンク | 10.35 |
Microsoft | 10.35 |
ヤフー | 1.67 |
光通信 | 0.17 |
ディーディーアイ | 0.17 |
東京通信ネットワーク | 0.17 |
スピードネットを巡っては,東電とソフトバンクの意見の食い違いから,東電側が資本関係を解消すると報道された経緯がある(2000年3月8日の記事を参照)。当時の新聞記事によると,東電側が無線技術を中心にサービスを展開する方針なのに対し,ソフトバンク側がADSLなども活用して複合的に事業を進めたいとして,意見が対立したという。
現実には記事と逆の状況になったが,意見の食い違いという点では的を射ていたようだ。事実,ソフトバンクはその後,エックステージ,アイ・ピー・レボリューションを相次いで設立し,DSL事業と光ファイバーアクセスに独自参入している。
スピードネットに対する東電の影響力が増したことは,同社が内包していた問題が,一応解決したとみて良いだろう。今回の発表は,5月にも開始する本格サービスを前に,過去の蟠りを解消したスピードネットをアピールしたようにも見える。
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