News 2001年4月6日 10:08 PM 更新

春の日差しはことのほか強く,むき出しの光ファイバーは眩しかった(2)

 高所作業車はアウトリガを出して踏ん張っている。アウトリガとは,クレーン車などが作業時,転倒防止のために車体の外側に張り出す支えのこと。付近の交通を妨げるので,ガードマンが交通整理。ううっ,筆者1人のために,いや髪の毛ほどの光ファイバー1本のために,たった3万円でこんなことまでしてくれて,と少しばかり申し訳なく思う(注:正確には,NTTに支払う工事費は2万7100円)。

踏ん張る高所作業車

頑張る作業員。太い鉄線に光ケーブルを巻き付け,室内に引っ張り込む

 光ケーブルの巻き付いた太い鉄線が難なく部屋まで引き込まれる。室内に入れば鉄線に用はない。柔らかな光ケーブルだけになる。ケーブルの束を「成端収納トレイ」に巻きつける。今でこそトレイと呼んで,手のひらサイズになったが,筆者の勤務先で光を引いた頃はこれがトランクほどの大きさの箱だった。

とうとう室内へ

ケーブルの束を巻き付ける「成端収納トレイ」

 光ケーブルの先端付近の被覆を剥くと,きれいなファイバーが春の光にキラキラ輝く。作業を行うニーチャンも心なしか誇らしげ。輝くファイバーを目にした時,はじめて「やっと光がウチまで来たんだ」と実感する。上り下り用にそれぞれ1本かと思ったら,たった1本で全部まかなうとか。少し拍子抜け。次はコネクタを接着し端面処理に進む。

キラキラ輝く光ファイバー

 回転する金属板の上にまっすぐに立てた光ファイバーを,最初は荒砥石のような金属板で,次は仕上げ砥石に相当する滑らかな金属板に替えて研磨する。これが端面処理だ。終わったら簡易顕微鏡で平面度の検査。「覗いてみます?」と例のニーチャンが笑う。おぉー,なかなか客商売ってもんを心得ているじゃないかと感心,覗かせて貰う。キレイに直角が出ている。

コネクタ研磨機(右)とコネクタ加熱器

光ファイバー研磨中

前のページ1 2 3次のページ