News 2001年6月5日 10:16 PM 更新

有線ブロードなど,「移動時でもIEEE 802.11b」の実証実験

有線ブロードとルートなどが設立したMISは,移動中でも11Mbpsの無線LAN接続が利用できるサービスの実証実験を行う。

 有線ブロードネットワークスならびにルートは6月5日,IEEE 802.11bを利用したモバイル環境でのインターネット接続サービスの実証実験を行うと発表した。有線ブロード,ルートなど3社は今年4月,同サービスの商用化に向けて企画会社のモバイルインターネットサービス(MIS)を設立しており,実験はMISが行うことになる。

 最大11Mbpsの通信が可能な無線技術であるIEEE 802.11bは,社内ネットワークの無線化をはじめ,集合住宅向けのFWA(Fixed Wireless Access)サービスに使われるケースが多いほか,同技術を空港などのホットスポットでの無線インターネット接続サービスに利用しようという動きもある。これに対し,MISの実証実験は,オフィスや自宅だけでなく,“移動中でも”IEEE 802.11bによるインターネット接続を可能にしようというものだ。MISでは既に,IEEE 802.11bにユーザー認証機能およびハンドオーバー機能を付加する独自技術を開発。基本的な技術検証は終了しているという。

 今回の実証実験では,MISの技術を使い,基地局の設置数や設置間隔,ならびに移動速度と使用可能な通信速度の関係について検証する。実験では,実際にモニターを募って利用動向の調査を行うが,MISでは1つの基地局につき数人から10数人でシェアすることを想定しているという。なお,実証実験は,6月中旬より東京・世田谷区の三軒茶屋を皮切りに半年程度行われる計画だ。

 「このサービスでは,ノートPCやPDAに無線LANカードを差しておけば,外出先や移動中でもインターネット接続サービスが利用できるようになるだろう。商用化の際には,われわれのブロードバンド事業のラインアップに加えるつもりだ」(有線ブロード)

 なおNISでは6月7日に幕張メッセで記者会見を行い,技術詳細や実証実験の内容について説明する予定。

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[中村琢磨, ITmedia]

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