News 2001年6月13日 09:27 AM 更新

リコー,デジカメ新ブランド「Caplio」シリーズでシェア拡大

MP3再生機能やクレードル装備が特徴のスタイリッシュデジカメ「Caplio RR10」で,シェア10%を目指すという。

 リコーは6月12日,MP3再生機能やクレードル装備が特徴の211万画素デジタルカメラ「Caplio RR10」を発表した。7月中旬の発売予定。価格はオープンだが,実売は6万円前後になる見込み。同社のパーソナル市場向け新ブランド「Caplio(キャプリオ)」シリーズの第1弾製品で,月産3万台を予定している。


211万画素デジタルカメラ「Caplio RR10」

 Caplio RR10は,211万画素原色CCDを採用。ポケットに入る小型・薄型のスタイリッシュボディは,携帯電話をイメージしており,116.8(幅)×53.8(高さ)×29.5(厚さ)ミリのコンパクトサイズで,172グラムの軽量ボディを実現。メタリックな質感を採用したカラーは,シルバー,オレンジ,ブルーの3色を用意している。大型モードダイヤルと十字キーを採用し,操作性を高めている。


携帯電話をイメージさせるコンパクトなボディ

 本体一体型のスマートなデザインを採用したクレードル「RICOH BASE」で,簡単にパソコンへデータ転送ができるほか,携帯電話感覚で本体バッテリーを充電することができる。パソコン転送ソフト「RICOH Gate」や,画像処理ソフト「ImageTouch」,ビデオ編集ソフト「Video Wave III SE」,MP3統合ソフトウェア「Music Match MP3 JUKEBOX」などさまざまなアプリケーションをバンドルしている。ビデオドライバソフトと付属のUSBケーブルで,本体をPCカメラとしても利用できる。

 35ミリ換算で38〜76ミリ相当の光学2倍ズーム機能に加え,デジタル2倍ズームを搭載。同社デジカメシリーズの特徴となっている強力なマクロ機能も健在で,最短約4センチの接写が可能。撮影画像への音声メモ添付が可能なほか,書類撮影に便利な白黒2値記録「文字モード」を搭載している。そのほか,露出補正,ホワイトバランス切替,マニュアルフォーカス,ISO感度切替など本格的なカメラ機能を搭載。記録媒体は,SDメモリーカードを採用している。

 また,付属のステレオイヤホンを本体に接続すれば,MP3プレーヤーとして利用できる。再生可能なサンプリングレートは44.1KHz,ビットレートは96Kbps。リコー独自の暗号化方式による著作権保護機能も装備している。


MP3プレーヤーとして利用可能

 主な仕様は以下の通り。

製品名 Caplio RR10
撮像素子 1/2.7型211万画素CCD(有効202万画素)
記録画素数 静止画:最高1600×1200ピクセル,動画:320×240ピクセル
記録方式 Exif Ver.2.1(DCF準拠,DPOF対応),TIFF,AVI(動画)
レンズ 光学2倍ズーム(38〜76ミリ相当),5群6枚(非球面レンズ3枚含む)
絞り F2.8〜3.8
デジタルズーム 2倍
露出制御 マニュアル補正(+/-2EVまで,1/2EVステップ)
ISO感度 オート(ISO100相当),ISO200,ISO400
シャッタースピード 4,2,1〜1/1000秒(メカニカルシャッター)
ホワイトバランス オート,固定(屋外/曇天/白熱灯/蛍光灯)
液晶モニタ 1.5型透過型低温ポリシリコンTFT液晶
記録メディア SDメモリーカード(8Mバイトタイプ同梱)
電源 充電式専用リチウムイオンバッテリ,ACアダプタ(別売)
サイズ 116.8(幅)×53.8(高さ)×29.5(厚さ)ミリ
重量 172グラム(バッテリ含まず)
価格 オープン(実売6万円前後)

 同社は経営改革の一環から,昨年10月に3つの社内カンパニーを設立。その中の1つで,デジカメなどイメージキャプチャ商品を扱うパーソナルマルチメディアカンパニーは「リコーが成長し続ける企業として21世紀の勝利者になるためには,パーソナル事業の強化は必須」という理念のもと生まれた。同カンパニーの橋本誠プレジデントは「デジタル情報機器の大衆化が進み,コミュニケーションの主役がグループから個人へという現在の流れの中では,個人に受け入れられる商品を提供していかなければならない」と,今回の新ブランド設立の経緯を語る。


パーソナルマルチメディアカンパニーの橋本誠プレジデント

 もともと同社では,デジカメを「Image Capturing Device」と呼んで,イメージ情報を効率的にデジタル入力する情報機器と位置付けていた。Capturingの「CAP」に,レーザープリンタ「Ipsio」やデジタル複合機「Imagio」など,同社主力ブランドにみられるネーミングの語尾「io」を合わせて,「Caplio」という新ブランド名ができたという。

 橋本プレジデントは「Caplioシリーズ投入で,デジカメ市場4強(富士写,ソニー,オリンパス,キヤノン)の一角に食い込み,現在4%のシェアを10%まで拡大したい」と,新ブランドへの意気込みを語った。

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[西坂真人, ITmedia]

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