News 2001年11月16日 07:07 AM 更新

世界最強ラジコンロボ? 三洋もお掃除ロボット! ロボフェスタ神奈川2001(1)

いよいよ最終会場の横浜にやって来た「ロボフェスタ神奈川2001」。既に見慣れたロボットから,新たにお目見えしたロボットまで,一挙紹介。

 今年8月に横須賀からスタートした「ロボフェスタ神奈川2001」。川崎,相模原と回って,最後は横浜にやって来た。ちょうど1年前,世界初のエンターテインメントロボット展「ROBODEX 2000」が開催されたパシフィコ横浜で,ロボフェスタ神奈川2001は締め括られることになった。

 一般公開を前に,報道関係者に公開された会場のもようをお伝えしよう。なお,横浜会場の一般公開は11月16日からとなっている。

世界最強ラジコンロボ?

 最近,玩具業界関係者の間では,2足歩行ラジコンのことを「操縦型ロボット」と呼ぶのが流行らしい。気持ちは分からないでもない。だが,やっぱりラジコンはラジコン……と思ったのもつかの間,ありました。操縦型ロボット。その名も,「MAGDAN」(マグダン)。正確には,“世界最強ラジコンロボ”らしい。

黒い鉄人28号か。かなり危険な香りがする

 MAGDANを開発したのは,京都大学工学部理工学科の高橋智隆さん。そのデザインはどこからどう見ても,鉄人28号。この年齢にして,ガンダムにはしらず,鉄人28号を目指す辺りは,なかなかの通(?)と見た。しかも,ロボフェスタ神奈川2001唯一の,“個人出展者”というツワモノだ。

力強い歩行を見せるMAGDAN(動画を見る・mpeg方式・約248Kバイト)

 高橋さんによれば,MAGDANの開発期間は約2カ月。製作費用は1万円。「材料はほとんどホームセンターで揃えました。たまに,東急ハンズにいったかも」という何とも力抜けするコメント。それでも,MAGDANが自作に見えないから不思議だ。

MAGDANと高橋さん。このポスターも自作。MAGDAN本体同様,クオリティは非常に高い

 2足歩行も見事なもの。よくここまで個人で作りこんだものだと感心していると,MAGDANの2足歩行には秘密があった。実は,鉄板の上しかあるけないのだ。MAGDANの足には磁石が入っていて,それが安定した2足歩行につながっているのだ。

 磁力を利用した2足歩行ラジコンといえば,京商の「GUNWALKER」が有名だが,なんと,このMAGDANの技術が応用されているのだという。「進路についてアドバイスしてほしい」と話していた高橋さん。あなたは今すぐ,バンダイでザクの開発チームに加わるべきです。

こんにちは,じそうじ丸です

 次世代掃除機の開発競争は,もう始まっているようだ。掃除ロボットを開発しているのは,松下電器産業だけではない。三洋電機は横浜会場に,11月9日に発表したばかりの掃除ロボット(コードネーム:じそうじ丸)を出展。部屋の形状を記憶する学習能力と,小型のボディを活かして,狭い場所にも入っていけるのが特徴だという。

「たんすの陰からこんにちは。じそうじ丸です」

 じそうじ丸の動きは奇妙。壁にごんごんぶち当たりながら,掃除をしている。その理由は,部屋の輪郭を検出するためだ。本体には接触型の全方位センサー(「ぐるっとセンサー」)を備えており,部屋が複雑な形をしていたり,障害物(テーブルやいすなど)があっても,ぶつかった瞬間に方向転換をして,部屋全体をすみずみまで掃除できるという。

部屋の形が,リアルタイムで認識されていく

椅子の隙間をほじくるようにして掃除するじそうじ丸(動画を見る・mpeg方式・約252Kバイト)

 じそうじ丸のボディは,高さ150ミリ,直径290ミリとコンパクト。ネコとイヌの愛らしいデザインは,まさにペット感覚のお掃除ロボットといった雰囲気。三洋によれば,じそうじ丸では,レーザー気流解析技術をベースに,集塵部の流れがスムーズになる構造を開発。回転ブラシだけでゴミを吸引するため,消費電力が少なくてすみ,バッテリーも小型化することができたという。「充電式掃除機を小さくするには,効率的な集塵構造がカギ」(三洋)。

 なお,じそうじ丸の製品化について三洋では「時期は未定」としているもが,40万〜50万円とも言われる松下のロボット掃除を意識してか,「値頃感のある価格を目指す」と強調していた。

じそうじ丸には,ラジコンモードもある

会場にはザクの姿も

 そのほか,会場で見かけたロボットをフォトレポートで紹介しよう。

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