News:速攻レビュー 2001年11月30日 07:13 PM 更新

速攻レビュー:「MSI K7N420 Pro」――nForce世界初搭載マザーの実力は?(2)

 ただし,ハードウェアの品質に関しては高く,nForceの機能を活かすため,随所で高性能なパーツが投入されているのが特徴だ。たとえば,サウンド部のAD/DAコンバータとなるAC'97 CODECチップには,高品質で知られるアナログデバイセズ社の「AD1885」を搭載する。

 また,マザーボードで重要な配線に関しては,MSI製品らしく,非常に高度なものとなっている。

 とくにメモリスロットとMCP周辺の極端なまでに密集した抵抗配置や各所に配置された電源回路(3端子レギュレータ)は,最近のマザーボードの中でも非常に複雑なものだ。nForceマザーボードに要求される設計レベルの高さを予感させる。


メモリスロット周辺。抵抗装置が密集している(拡大画像

こちらはMCP周辺。好きな人にはゾクっとくるだろう(拡大画像

 実装が注目されるIGPの発熱対策に関しては,なんと大型ヒートシンクのみとなっている。詳しくは後述するが,オーバークロック時でさえも安定して動作した。GeForce 2 MX400でさえファンが必要だったことを考慮すると,発熱の低減に関してはチップレベルでの高度な配慮がなされているようだ。


IGP128のヒートシンク(拡大画像

 付属品に関しても豪華だ。まず目立つのは,USBポートを6ポート活かすため,USBブラケットを2個付属する点。そのうち1つは,BIOSのエラーをランプで確認できるMSIの独自機能“D-Blacket”である。なお,筆者が入手したのは国内版だが,平行輸入版ではUSBブラケットが1個となっている。

 さらに,MCP-Dのドルビーデジタルデコーダを活かすための同軸デジタル出力端子(S/PDIF仕様)のブラケットも付属。5.1チャンネル対応のAVアンプとの接続が可能となっている。

 ただし,I/Oパネル部にEthernet端子を持つタイプの製品でありながら,バックパネルが付属しない点は非常に残念だ。最近のケースではこのタイプのパネルが付属していることも多いが,別途入手が必要なユーザーもいるのではないだろうか。


リアパネル(拡大画像

 同じく残念なのは,マニュアルだ。MSI製品の割に,記述が若干荒いのである。たとえば,ケースパネル(電源ボタンやHDDアクセスランプ)などの配置の記述は見つけにくいし,まったく新しいチップセットを搭載した製品であるにもかかわらず,ソフトウェアのインストールについての記述はいっさいない。

 さらに現時点でのnForceドライバは,IDE部に専用ドライバが用意されていない(OS標準のバスマスタドライバを使う)など,若干特殊な仕様となっている。そのため,OSによっては若干インストールに苦慮する点がある。

 また,ビデオドライバも,Windows XPでの安定性に配慮してか,最新ドライバではなく,Ver.15.40という安定版となっていた。ただしこのバージョンも,Windows XPベースの一部の環境では安定して動作しないという指摘がある(ただしこれはnForceのみではなく,GeForce系に共通した問題である)。

 現在ベータ版となっている「Ver.22.50」などでは安定度が高くなるため,安全を期する場合はVer.22台のドライバがリリースされてからの導入をお勧めしたい。

BIOSに関しては,未実装機能がいくつか存在

 BIOS関係の注目点としては,まずビデオメモリ設定が挙げられる。nForceの場合はメインメモリとの共有方式となっているが,容量設定はBIOS上から可能で,8/16/32MBの3種類より選択可能だ。

 マニュアルではほとんどないように記載されているオーバークロック設定に関しては,実はかなり多彩なものとなっている。

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