News 2002年3月28日 07:36 PM 更新

三菱電機,Javaアプリ対応のDVDカーナビを発表

 三菱電機が,Javaアプリケーションに対応したDVDカーナビゲーションシステムを発表した。同梱のゲーム以外に,携帯電話を介してネットからJavaアプリケーションのダウンロードも可能だ。

 三菱電機は3月28日,Javaアプリケーションに対応したDVDカーナビゲーションシステム「CU-V7000Rシリーズ」を発表した。価格は,DVDナビユニット単体のCU-V7000Rが14万8000円,DVDナビユニット/7型モニタ/TVチューナーがセットになったCU-V7000RVPが22万8000円。4月20日より発売する。


Javaアプリケーションに対応したDVDカーナビ「CU-V7000Rシリーズ」

 新製品の売り物は,カーナビ上でJavaアプリケーションが動作させられる機能を備えたことだ。同社によると「カーナビでのJava対応は業界で初めて」だという。同梱の地図DVD-ROMに,スロットやパズル,シューティングなどJavaアプリケーションのゲームが8種類収録されている。

 また,別売りの通信アダプタ(MR-V7000)を使用すれば,携帯電話を介してJavaアプリケーションをダウンロードすることも可能だ。発売と同時に同社のサイトにJavaアプリケーションのダウンロードページを設置する。「サイト開設当初は3種類のJavaアプリケーションを用意し,順次増やしていく予定」(同社)。


スロットやパズル,シューティングといったJavaゲームがカーナビで楽しめる

 そのほか,ネット上で手に入るJavaアプリケーションも携帯電話を介してダウンロードすることが可能。ただし,表示画面の制約などで動作しないものもあるので注意が必要だ。「当社サイト以外のJavaアプリケーションは確認していないので,動作の保証はできない」(同社)。


携帯電話を介して,ネットからJavaアプリをダウンロードできる

 カーナビ本体には,Javaアプリケーション用として約200Kバイトのメモリを搭載。最大32個までJavaアプリケーションを保存できる。CPUは64ビットRISC型を搭載し,高速なレスポンスを実現した。

 そのほか,音声認識機能,DVD映像ソフト再生機能,リアルタウンマップ/3Dポリゴンマップ/クルージングビューなど多彩な地図表示機能,インターネットWebページ閲覧機能など,最近のDVDカーナビの基本性能はしっかり押さえた仕様となっている。

カーナビはWindows CEベースが有効?

 今回のカーナビ新製品には,OSにWindows CEを採用している。実は,同社では2000年4月に国内初のWindows CE搭載カーナビを発表しており,その後もWindows CEベースのカーナビを積極的に市場に投入してきた。「現在のカーナビラインアップには,全てWindows CEを搭載している。Windows CEベースの環境だったからこそ,Javaアプリケーションにも比較的簡単に対応できたといえる」(同社)。

 新製品ではこのほか,使用頻度が高い機能を10キーへ登録できる「ショットカット機能」や,登録地に近づいた時に好きな言葉を発声させることができる「登録地TTS(Text To Speech)機能」,ルート上の通過ポイントを簡単に設定できる「ルートカスタマイズ」など,豊富なカスタマイズ機能を搭載している。「ユーザーインタフェースが簡単にカスタマイズできるのも,Windows CEベースならではのメリット」(同社)。

 ただし,今回採用したCEは,Microsoftが車載情報システム向けに昨年10月にリリースした最新版の「Windows CE for Automotive 3.5」ではなく,組み込み型のWindows CE 3.0となっている。

 for Automotive 3.5を採用しなかったことについて同社は,「これまで蓄積したCE 3.0の開発資産を生かすため。また,今回の新機能追加にはfor Automotive 3.5を採用する必要がなかったということもある。今後の新製品については,3.5を視野にいれながら開発を進めている」と語る。

 「Windows CEをOSに選ぶ理由は,開発期間の短縮と開発コストの削減が主な理由。特に市場の要望にいかに早く対応できるかというところで活用している。今回の目玉であるJavaの採用も,Windows CEでなければ間に合わなかった」(同社)。

 電子情報技術産業協会(JEITA)によると,2001年度には191万台だったものが2002年度には225万台と2ケタ伸長をみせるなど,カーナビ市場は景気低迷の中でも好調に推移している分野だ。特に最近では,自動車向けの次世代情報提供サービス「テレマティクス」の情報端末としてもカーナビが有望視されているだけに,メーカーの期待も大きい。

 「今回の新製品投入で,カーナビシェアを現在の7%から10%を目指す。カーナビを情報端末の中心と位置付け,当社の事業の柱にしていきたい」(自動車機器事業本部副本部長の上田敦氏)。

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[西坂真人,ITmedia]

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