News 2002年4月1日 11:10 PM 更新

1万円台のフォトプリンタをチェックしてきました(2)

 薄く連続的に変化する人の肌の色や動物の毛の模様などは,インクジェットプリンタが苦手とする素材だが,昇華型のCOLOR PETでは,赤ちゃんの鮮やかな肌色の濃淡が,しっかり表現されており,トラの画像では縞模様のグラデーションがちゃんと出ている。今回掲載した画像は印刷サンプルをスキャナーで取り込み,さらにリサイズしているため,COLOR PET自慢の階調表現が失われてしまっているが,実物は数倍キレイなことを付け加えておく。


赤ちゃんの鮮やかな肌色の濃淡が表現されている


インクジェットが苦手な動物の毛の模様も,昇華型ならちゃんと出る

 昇華型熱転写方式で気になるのは,ランニングコスト。同社では,専用リボンカセットと専用紙が1パッケージになった消耗品セットを1250円で発売する予定だ。このリボンカセットで,付属する用紙の枚数分(25枚)の印刷が行えるため,ランニングコストは1枚あたり50円となる。

 銀塩写真のランニングコストはDPE店によってもさまざまだが,全国に約1200店舗を展開するDPE店「パレットプラザ」の料金(現像代500円,プリント30円/枚)を参考に計算してみると,25枚撮影したときの料金は1250円となり,1枚あたり50円と,COLOR PETと同じランニングコストとなる。一方,最近取り扱い店が増えてきたデジタルプリントサービスは,1枚40〜60円と,こちらもコスト的にはほぼ同じとなる。

 「リボンカセットと専用紙だけは別メーカーからのOEMなので,簡単にコストダウンはできないが,消耗品などは生産量が増えれば徐々に安くなっていく。COLOR PETが普及すれば,銀塩写真の半額も夢ではない」(同社)。  初年度の出荷目標を10万台としているCOLOR PET。初期ロットの4000台は国内で生産し,その後は中国・シンセンにある同社のモータ工場で生産するなど海外への生産移管でコストダウンをはかる。

 ちなみに,同社が50年前にコンシューマ市場に参入した時の商品は“振動型洗濯機”。同社が得意とする振動モーターを洗濯機に応用したユニークな商品だった。今回の再参入でも「昇華型熱転写方式」という得意分野で勝負をかける。「写真画質デジタルプリントの先駆者として新しいマーケットを作っていく。次期機種では,さらなる高画質化,プリントサイズアップ,モバイル対応などに取り組んでいきたい」(同社)。

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