News:っぽいかもしれない | 2002年4月5日 06:59 PM 更新 |
つづいて彼がMIT時代に研究していたロボットのはなしになる。ここで“Make robots more like animals”っていうキャッチフレーズが提示された。そうすると,さっきのプリミティブユニットは,単なる冗談じゃなかったのか。
先生のアプローチは最初に動物の走り方を研究するところからはじまっている。いろんな動物が走るムービーをいくつも紹介した。ダチョウのところでは「ダチョウは時速70キロで走れる。これは,地球上で最も高速な2足走行ユニットだ」というコメントが入った。そう言われてみれば,そうなのだ。気が付いていなかった。Marc先生はいつかダチョウの持っているタイトルを奪いたいらしい。
これが,1981年に描いた“1足走行”の設計図*3。鳥脚っぽい。でも,これはメカ的に複雑過ぎたので,実際に作成されたのはこんな感じ。
折り曲げる膝をやめて,シリンダーにしちゃった。地面に設置する“足”の面積がきわめて小さい(彼は「no foot」といった)ことが特徴。ホッピングスタイルってところなのかな。
ちなみに隣にいるのは2足歩行ユニット。ただしこのときはまだ2足歩行どころか二足で立っていることも技術的にできなかったので,撮影のために両面テープで背中を貼りつけているんだって。
そんなふうにしてできた1本足ロボット。スプリングの弾性を運動エネルギーに変えてはねている。
スクリーンにうつった画像を斜めから撮影したものを修正したりしているんできれいじゃなくてごめん。このへんについて,きれいなのは,Leg Laboratoryのサイトの「our robot」のところにいろいろあるからそっちを見てほしい。
体が傾いたらそっちの方向にはねるっていうことで,常に体は“foot”の真上にあるようにしている(そうしなきゃ転ぶ)。これは1本足だけど,2本足でも4本足でも基本原理は変わらないんだそうだ。それぞれの足について同じことを考えればいいらしい。
これは,その後に出たカンガルータイプの1本足ロボット「Uniroo」。再び膝のある形に戻っている。これは有名な映像なので,どこかで見たことがある人も多いだろう。
そして2本足の“3D Biped”。ライバルのダチョウになんだか近づいた感じだ。
ダチョウよりえらいのは宙返りもすること。
さらに,こういうことまでする。
「英語で,Horseless Carriageっていったら,自動車のことなんだけど,こっちの方が本当にHorseless Carriageだよ」っていうご自慢の逸品。ああ,これは乗りたいぞ。なんだか酔いそうだけど。
「こういうロボットたちが,何を夢見てるのかを考えてみると……」
先生,いきなりすごいことを言いだす。画面のロボットの頭(ってどこ?)から吹き出しみたいのが浮かんで,CGアニメの画像になる。
「……広い野原で,動物たちと一緒に走り回ることじゃないかな」
Unirooや3D Bipedがサバンナみたいなところ走ってる。ガゼルみたいのやカンガルーみたいの(動物相はバラバラだけど,夢だから)も一緒に走ってる。あはは,野生のロボットだ。楽しそう。
山本さん憧れの先生だけあって,すごい人だ。この人の講義はおもしろそうだ。ちょっと授業を受けてみたくなった。
さて,1本足,2本足ときて,いよいよ4本足だ*4。この研究を山本さんと一緒にできるようになったのはラッキーだってまとめて,山本隆司さんのトークにうつる*5。
Marc先生のロボットの夢でみんながすこし毒気を抜かれた状態になっているところで,山本さんは,理知的な話を始める。聴衆も落ち着きを取り戻す感じ(期せずしてなんだろうけど,このコンビネーション,うまい)。
まず,なぜAIBOが走らなきゃいけないか。
*3いわずもがなだけど,さっきの定義でいけば“1足歩行”ってのはできない。どうしたってぴょんぴょんはねることになるんだから,必ずすべての脚(って1本だけど)が空中にいる瞬間がある。
*4研究の順番が,だんだん数が増えていくほうだっていうのはおもしろい。
*5ほんとはうそ。実は,Marc先生,ここで,お目当ての画像をみせちゃったのだ。でも,ここではおあずけにさせてね。