News | 2002年8月28日 09:30 PM 更新 |
トヨタ自動車の豊田章男常務が「トヨタ車購入者の少なくとも半分はユーザーになるだろう」と期待する同社の新情報サービス「G-BOOK」。今年の秋より対応端末が搭載された新型車が投入され、2003年後半からは全車種が対応する計画である(別記事参照)。KDDIの2000 1x網とSDメモリーカードを利用したトヨタの次世代カーナビシステム「G-BOOK」について、写真とともに詳細を説明しよう。
データはSDカードに
G-BOOKサービスは、SDカードスロットにシステムカードを挿入すると利用可能になる。音楽再生ソフト「SD AUDIO」やネットワーク対応MIDIプレーヤー「AUTOLIVE」を搭載し、AAC形式の音楽ファイルのほか、ネットワーク経由でダウンロードしたカラオケ/BGMなどのMIDIデータを再生できる。
さらに、SDカード内の画像も、カーナビのディスプレイに表示可能。デジタルカメラだけでなく、SDカード対応携帯電話(カメラ付き)で撮影した写真にも対応している。一覧表示や、回転(左右90度)など簡単な編集機能も備える。
下の写真はメインメニューを拡大したもの。これはデフォルトの画面で、トヨタでは「UCS」(ユーザーカスタマイズドサーバ)と呼ばれるサーバを設置し、利用者がサービスやメニュー画面を自分の好みにカスタマイズできるようにする。また、G-BOOKではオイル交換やタイヤ交換といった定期的なメンテナンス情報のほか、自動車保険の更新情報を案内する「リモートメンテナンスサービス」を提供するが、メンテナンスの履歴やカスタマイズ情報は全てUSCでデータ管理されており、車両を乗り換えてもユーザーの情報は引き継がれるという。
コンテンツサービスも充実
G-BOOKを利用するには、基本使用料、通信料金に加え、コンテンツごとに定められる月額使用料を支払わなければならない。トヨタによれば、G-BOOK用コンテンツは「G-BOOK-ML」という開発言語を使用する。G-BOOK-MLで開発されたコンテンツは、携帯電話やPocket PC(専用ソフトをインストールしなければならない)でも利用できることから、「携帯電話のコンテンツプロバイダーには、どんどん参加してもらいたい」(トヨタ)と呼び掛ける。なお、代金の回収は、KDDIが代行するというわけではなく、クレジットカード/プリペイドカードを使用する。
ホームネットワークにも対応
トヨタでは、G-BOOK端末の用途の1つとして、「ホームネットワークとの連携」を掲げている。既に、日立製作所と協力し、端末搭載車両からエアコンやテレビ、照明などをコントロールできるサービスを開発中だ。
G-BOOK端末のメインメニューから、「G-BOOK.com」→「マイメニュー」→「ホームコントローラ」とたどると、登録されている家電の一覧が表われる。例えば、エアコンを選択すると、電源のオン/オフはもちろんのこと、現在温度や運転モード(風速や温度設定)も確認できる仕組みになっている。
発表会場では日立の赤外線による家電制御システムを利用したデモンストレーションも実際に行われた。本来は、勤務先のPCなどから操作することを想定したシステムだが、G-BOOK向けにインタフェースを改良し、車内からもオペレーションできるようにしたという。
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[中村琢磨, ITmedia]
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