| News | 2002年10月29日 01:23 PM 更新 |
「HDDにDVDが付いているんです」――東芝開発者が語るデジタルレコーダの正しい進化論（3/3）
例えば、Webブラウザを使用して背景に自分の準備したオリジナルの画像（BMP形式）を転送できる。また、タイトルサムネイルやチャプターサムネイルの変更も可能で、文字の色もユーザーが自由に設定できる。
オリジナルの画像は、新たに搭載したネットワーク機能を使用し、WebブラウザからRD-XS40に送ることができる
「絵心がある人だったら、あらかじめ送る画像に文字などを入れて、デザインをしておくことで、見栄えの良い凝ったものを作成することができます。タイトルなどの文字は、“裏技”で消すこともできるようになっているので、ぜひ、見つけ出して活用してください」。
サンプルのメニュー画面。頑張ればこういったメニューを作成することもできる。充実したDVD-R作成機能は、「実は、ファミリー狙いなんです」と片岡氏
また、新たにDVD-R作成ウィザードを搭載しており、書き込みまでの操作を順に作業。書き込みテストなどを行うこともできる。さらに、初めにメニューを再生するか、映像を再生するかなどを選択。シーンの再生が終わったら、次のシーンを再生するか、メニューに戻るかなどの設定も行え、スクイーズにも対応する。
「PC用のオーサリングソフトで、スクイーズに対応し、ドルビーデジタルのエンコードまでできるものは、種類が限られているうえに価格も高いでしょう。しかも、120GバイトのHDDやハードウェアMPEGエンコーダ、DVD-RAM/Rドライブなど付いてくると考えると、RD-XS40はかなりお買い得だと思います」。
新たに搭載されたネットワーク機能は、Webブラウザを使用することで、番組説明（最大400文字まで）を入力したり、メールによる番組予約などを行うことができ、ネットリモコンを使用すればパソコン上からRD-XS40を遠隔操作できる。
メールによる番組予約は、特定のプロバイダ以外では使用できないといったものではない。基本的には、RD-XS40自身が、設定されたメールボックスをチェックすることで実現している。「例えば、番組予約用の定型メールを自分宛に送信し、そのメールサーバの設定をRD-XS40にしておけば、後は、RD-XS40が自動的にチェックして番組予約を行うように設計されています。RD-XS40の電源が「オン」になっていれば、定期的にメールチェックを実行。オフになっている場合は、1日3回、時計合わせに使用する時報の時間の30分ほど前にチェックを行うように設計されています」。
まだ全体構想の7分の3か4ぐらい。これからです
東芝のRDシリーズは、従来の製品でもかなり多くの機能を搭載していたが、最新のRD-XS40では、ついにネット接続機能もサポート。DVD-R作成機能も充実させている。現在発売中の製品のなかで、最も多くの機能を搭載しているのは間違いない。
しかし、片岡氏に言わせると、「これはこれで完成形なのですが、RD-Styleの全体構想からいうと、7分の3か4ぐらいのところまできたといった感じです。まだやることはたくさんあります」となる。「われわれは、RD-Styleという名の下に、デジタルレコーダのあるべき姿というものを追求していこうと思っています。地に着いた足が離れないようにしながら、ユーザーの使い勝手をヒアリングして、ハードウェアなどのギミックに走るのではなく、本質的な拡張をしていきたい」と今後の開発方針を語ってくれた。
熱心なユーザーがネット上でFAQなどのホームページを立ち上げていることも、片岡氏はよくご存知で、楽しみにしている様子。「いつの間にかコミュニティーができあがっている。社内にしてもそうなのですが、関与している人たちがだんだんみんな情熱を持っていってくるんです。最初は『こんなに難しいもの作らせやがって』と、鬼とか悪魔とかみんなに言われて、煙たがれたんですけどね」と笑う。
加えて、「われわれも1ユーザーであって、そういう意味では一番最初に気づくわけです。実際にこの製品に搭載されている機能の7割方は私が考えました。今後も、ユーザーに喜んでもらえるような製品を開発していきたいです」と話していた。
なお、東芝にはホームサーバ「TransCube10」があり、それとの関係も気になるところ。片岡氏はその点について次のようにコメントしていた。「あの製品は、PC側から見たAV機器を考えていますが、最終的な部分では、やはり、同じようなものを目指すことになると思います。将来的には、きちんと連携が取れるようにしたいですね」。
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