News 2002年11月6日 09:19 PM 更新

お金のやりとりは携帯メールで?

割り勘の精算や友人同士の貸し借りの返済。そんなお金のやりとりが、携帯メールを使って手軽にできるようになった

 友人に借りたお金は携帯メールで返済する――ネット専業銀行のイーバンク銀行は、そんなことが可能になるサービスをこのほどスタートさせた。

 新サービスの名称は「メルマネ」。同社はこの7月、メールアドレスを使って送金できる「メール送金」サービスを開始したが、同サービスはこれを拡充させたものだ。主な拡張のポイントは2つあり、1つはイーバンク口座を開設していない相手にも送金できるようにしたこと。もう1つは携帯メールにも対応したことだ。これまでは受取人がイーバンクに口座を開設している人に限られ、携帯電話も対象外だったが、これで汎用性がぐんと高まった。手数料は当面、受取人がイーバンク口座を開設していても、いなくても無料(他行口座への振込みは将来的には有料化する)。

 同行の場合、1円単位での決済ができるので、友人同士の貸し借りや割り勘の精算といったささいな決済にもメルマネを利用できる。オークションの代金決済など、未知の相手とのお金のやりとりも、口座番号を教えずにすむので、安全性も高い。

 送金方法も簡単で、送金する人はイーバンクのサイトで自分のアカウントにログイン後、「送金する」メニューを選択。送金内容の「入力」画面で受取人のメールアドレスと送金金額を、「確認」画面で受取人の名前と暗証番号を入力するだけだ。受取人の口座番号などを入力する必要(知る必要も)はない。後は「実行」ボタンを押せば、送金手続きは完了する。

 送金が行われると、受取人にはその旨の通知メールが行く。この中に送金サービスのURLの記載があり、そこにアクセスして受け取りの手続きを行う。その際、受け取り方法は、1)既存のイーバンク口座で受け取る、2)新規にイーバンク口座を開設して受け取る、3)他行の口座で受け取る、の3つから選択できる。

 このうち、イーバンク口座で受け取る場合は、支店番号や口座番号、ログインパスワードを入力するだけで、すぐに受け取り可能。一方、他行口座の場合は、振込先の金融機関名、口座番号、電話番号などを入力する。振込みは当該金融機関の翌営業日に行われる。

 1つ注意しなくてはならないのは、送金先の確認を受取人名で行っている点だ。送金作業が非常に簡単にできてしまうため、その分、誤送金の生じる可能性がある。これを防ぐ手段として、送金者の指定した「受取人名」と受取人の「口座名」が一致するかどうかを見ているのである。

 これが一致しない場合、送金は実行されない。受取人がイーバンク口座開設者の場合、送金手続きの作業時に、受取人が登録したメールアドレスに対応する口座名が自動的に表示されるが、他行振込みの場合は、送金者は最低限、受取人のフルネームなどを正確に知っている必要はあるわけだ。また、存在しないメールアドレスを指定した場合も、送金は行われず、送金者に不達通知が送られる。

年度末には150万口座へ

 イーバンク銀行の松尾泰一社長は、同社の戦略を「日本の決済手数料に革命的な値下げを起こすこと、そしてケータイを財布代わりにすることだ」と説明する。これを意味あるものにするには、ある程度のインフラ=口座数を持つ必要があるが、メルマネはそのための起爆剤の役割を担っている。

 同行の個人口座開設者は、10月時点で累計36万。順調に伸ばしているとはいえ、ネット決済のインフラというにはまだ少ない。同社ではメルマネをテコにして、これを「年度末には口座開設数150万、実効80万ぐらいにする」(若山健彦副社長)計画だ。


イーバンク銀行の松尾泰一社長(左)と若山健彦副社長

 個人のイーバンク口座間の送金は手数料が無料なので、口座数が増えても手数料収入自体が増えることはないが、“メールで決済する”ということにユーザーが慣れる意味は小さくない。

 また、マーチャントの送金からは手数料を取るので、「こちらでは儲ける」(若山氏)仕組みだ。例えばアンケート会社の回答者への謝礼といった企業から個人への大量の支払い業務、一時的なアルバイトへの給与支払いといった利用シーンを想定している。振込み手続きやその手数料、あるいは郵送などの手間・コストがカット可能で、有料であっても十分ニーズはあると同行では見ている。

 スタートにあわせ、同行ではメルマネの送金受取者が新たにイーバンクの口座を開設した場合、開設者と紹介者(送金者)の双方に500円をプレゼントするキャンペーンもあわせて実施する。なお、他行振込みは基本的に手数料を取る方針だが、これもキャンペーンの一環として「年内いっぱいぐらい」(若山氏)の期間は無料にするという。

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[中川純一, ITmedia]

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