News | 2002年11月29日 08:40 PM 更新 |
本とバーチャル画像との位置合わせのために、ページの周囲には飾り罫のようなパターンがある。また、いま開かれているのはどのページかというのは、その中に描かれたイラスト(鳥とか林檎とか、ページごとに異なる)を認識することで行っている。
「これをもっと市松模様のパターンのようなものにすれば、認識率はずっと上がるんです。でも、そういうデジタルっぽいものを絵本の中に入れたくはなかった。そこでこういうイラストでやってみているわけです」と、笹生アイザック朋樹さんが説明してくれた(*1)。
飾り罫パターンはいかにも飾り罫に見える。大判の絵本にはこういう装飾があるものは多いし、確かに不自然さはない。半面、位置の精度が上がらないからか、“Virtual赤ずきんちゃん”が本に描かれた川を飛び越えるというような絡みかたは、してくれない。このあたりは将来に期待だ。
「いまは、(赤ずきんちゃんの)静止画を出していますけど、これは動画でもかままわないわけです。本の内容によっては、脇にスクリーンが見えて、そこでは登場人物視点の画像が見えているなんていうのもアリかもしれません」。
リアルな本がそのままインタフェースになるっていう、MRとしては王道ともいえるパターンだけど、これもここからいろいろ発展できそうだ。親子で見られるようになったら面白いな(*2)。
Shockwave3Dを使ったネットワーク推理ゲーム。5人のプレイヤーがそれぞれ「生きているおもちゃ」になる。うち一人は犯人。残りは探偵(これはゲーム開始時にランダムに決められる)。もちろん探偵は犯人を見つけるのが目的。そして犯人は、探偵を皆殺しにするのが目的(といっても、探偵が1人だけになっちゃうと、その人からは犯人が一意的に分かっちゃうので、この時点でゲーム終了)。
ネットワークゲームには既にいろんなものがあるけど、「推理もの」ってのがちょっと目新しい。Shockwave3Dを使っているんで、あらかじめアプリケーションを用意しなくてもいいし、プラグさえ動けばプラットホームを問わないっていうのもメリット。その代わり、最初に10Mバイトほどのデータをダウンロードするので、高速回線じゃないとちょっと辛い。ゲームそのものは遅くても平気なんだけど。
ゲームのキャラクターはキモカワイイ系で、わたしはすき。これが殺人事件を起こすっていうのもいい。オドロオドロ系よりかえって怖い。
コンピュータがダミープレイヤーになってくれるっていう仕組みがないから、ほんとに5人揃わないとプレイが始まらないとか、プレイヤーのうちの一人がなんかの理由で回線から落ちるとゲームそのものが成立しなくなる(最初からやり直し)とか、途中で殺されちゃったプレイヤーはその後、なにが起きているのかわからないとか、気になるところもあるのだけど、これは今後磨きがかかるのに期待。
Actim
座ったり寝そべったりお望みなら眠っちゃったっていい安楽イス。すわると、川のせせらぎとか雑踏とかなんかの音がする。座っている姿勢をかえると、音もいろいろ変わる。
イスには圧力センサーがたくさんしこまれているのだ。各センサーへの力のかかり方によっていろいろな音を再生するというわけ。あんまりちゃかちゃかしないように、2秒間は同じ姿勢になっていないと、音は変わらないようになっている。
これだけ。これだけなんだけど、きもちいい。“のたぁっ”て座っているだけで音だけ散歩ができる。ぼーっとするためのデバイスとしてはかなりいい(イスそのものも気持ちいいんだけど)。
これ、最初に紹介した踊りまくりのatMOSの隣にあった。「人間の動きをセンサーでとらえ、それに応じて出力をかえる」っていう意味では全く同じなんだけど、それでこれだけ対照的なものが出てくるっていうのはやっぱり面白い。
追記
来年の2月17日に、稲蔭研究室の研究成果発表会が東京・代官山であるのだそうだ。詳しくはここ参照。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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