News 2003年1月10日　01:37 PM 更新

“静音AVパソコン”を自作してみました（2/2）


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　記録型DVD市場は昨年後半から盛り上がっており、価格も急激に下がっている。規格の乱立がやや不安な点だが、複数のDVDライティング規格に対応したドライブも登場している。今回は、CD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RWの書き込みに対応したソニー「DRU-500A」を選んだ。DVD-R、DVD+Rともには規格最速の4倍速（DVD+Rはファームウェアのバージョンアップで対応）を可能にするなど、現時点で最強の記録型DVDドライブといえるだろう。さらにDRU-500Aは空冷用のファンを搭載していないので、静音PCのコンセプトにも合致する。


最強の記録型DVDドライブ、ソニー「DRU-500A」を選択

　さて組み立てだが、CPUを始めさまざまな機能がマザーボードにオンボードで搭載されているため、作業はいたって簡単。前回のEPIA-E533の時と同様に、マザーにメモリを挿したら各パーツをケースにネジ止めするだけというプラモデル感覚で、ものの10分ほどでPCが完成した。


ものの10分でPCが完成

　ただ、付属のブラケットを使って増設するカタチのIEEE1394ポートには少々悩んだ。使用したアルミキューブケースにはPCIスロット用のブラケットが装備できるのだが、これを使ってしまうとたった1つしかないPCIスロットが無駄になってしまう。

　また、映像編集のためにDVカメラを接続するのには、PC前面に各種ポートがあった方が便利だ。そこで、ジャスティが昨年12月に発売した5インチベイ内蔵型のマルチファンクションファンコントローラ「DCFLCD」を使ってみた。本体前面にファンコントロール調整用のつまみと、ファン回転数やCPU/HDD/ケースの温度が確認できるLCDを搭載したファン制御をメインとした製品だが、IEEE1394ポートとUSB2.0対応ポートも前面に装備されている。


5インチベイ内蔵型のマルチファンクションファンコントローラ「DCFLCD」


IEEE1394とUSB2.0のポートがあるブラケットとDCFLCDとは、PC内部で接続

　EPIA-ME6000はCPUファンが要らないことが売りだが、ケース内部にこもった空気を逃がすためのケースファンまで止めてしまうのには不安が残る。DCFCLDを使えば、CPUの温度を見ながら、可能な限りケースファンの回転数を落として静音対策ができるのだ。


完成した静音AVパソコン。アルミケースと統一感があるデザインに仕上がった

　DCFLCDは3色のアクリルパネルが標準で添付されており、デザイン面の良さも選択の理由。ソニーのDRU-500Aもトレー部がシルバーのアクリルパネル仕様になっており、組み上げてみるとアルミケースと統一感があるデザインに仕上がった。

静音性とAVパソコンとしての実力は？

　さて、できあがった静音AVパソコンの実力はどうだろうか。まず静音性は、やはりCPUファンがない効果が大きい。ケースファンは動かしているためまったくの無音にはならないものの、ファンコントローラでケースファンの回転数を最小にすると、ケースに耳を寄せるぐらい近づかないとほとんどファンの音が聞こえないレベルにまで静音化できた。これなら机の上においても気にならない。CPUの温度も通常時で45度前後、MPEG-2エンコードなどCPU負荷をかけた時でも60度以下に保たれていた。

　性能面では、前モデルのEPIA-E533では無理だったDVD再生が、MPEG-2デコーダ機能のおかげでコマ落ちのないキレイな映像が楽しめるようになった。ベンチマークをとってみると、EPIA-E533に比べてCPU性能で約20％アップ、グラフィックでは3倍以上の性能向上が確認できた。

　だが、映像編集を行うには少々力不足の感は否めない。DVカメラからキャプチャリングしてMPEGファイルに変換し、DVDに書き込む作業を行ってみたが、あまりの処理の遅さに閉口した。EPIA-ME6000に搭載されているCPU（Eden ESP6000）は、ベンチマークで調べるとCeleron/400MHｚ前後の実力しかない。やはり映像編集などの重い作業は、ギガクラスの高速なCPUが必要なことを痛感した。

　EPIA-ME6000を使った静音AVパソコン製作の試みは「半分成功・半分失敗」という結果に終わった。だが、DVD再生ができるPCとしては、最も静かな部類に入るのではないだろうか。近年のPCは、DVD再生などあたり前になっているが、デスクトップPCなどでDVDを見ていると、空冷ファンの音が気になったりすることが多い。リビング用にDVD再生PCなどを考えているユーザーには、このマザーはお勧めだ。

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[西坂真人, ITmedia]

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