News 2003年3月7日 00:20 AM 更新

プロ/ハイアマが使うデジカメをチェック!――IPPF 2003

プロ用写真機材の展示会「IPPF 2003」では、ニコン/キヤノン/コダック/富士写真フイルムなど、プロ向けに力を入れているメーカーが最新のデジカメを展示している

 プロ/ハイアマチュアカメラマン向け写真機材の展示会「IPPF(国際プロ・フォト・フェア)2003」が、3月6日から東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催されている。


プロ/ハイアマチュアカメラマン向け写真機材の展示会「IPPF(国際プロ・フォト・フェア)2003」

 第32回目となる今回のIPPFは、昨日まで米国ラスベガスで開催されていた「PMA 2003」(3月2−5日)と、来週国内で行われる「フォトエキスポ2003」(3月14−16日)とのちょうど間の時期となる。例年、ほとんどのカメラメーカーは、PMAで発表した新製品の国内お披露目をフォトエキスポで行うが、プロ向けの新製品に関してはIPPFでいち早く紹介するケースも多い。

 今回もニコン、キヤノン、コダック、富士写真フイルムなどプロ向けに力を入れているカメラメーカーが、最新のデジカメを展示していた。

一眼レフの価格破壊――キヤノンEOS 10D

 ハイアマチュアカメラマン達が行列を作っていたのが、キヤノンのレンズ交換型一眼レフデジカメのコーナー。中でも人気だったのが、実売20万円前後の低価格で登場した「EOS 10D」だ。


実売20万円前後の低価格で登場した一眼レフデジカメ「EOS 10D」

 EOS D60の後継機となるEOS 10Dは、ハイアマチュアを狙った従来機(D60)からさらにユーザー層を拡大し、一眼レフデジカメ初心者の入門機として位置づけられている。会場では、先月発表されたノートブックタイプの小型インクジェットプリンタ「PIXUS 50i」と10DとをUSBケーブルで直接つないで印刷する「カメラダイレクト」機能の実演も行われていた。


プリンタに10Dを直接つないでダイレクトに印刷

 「従来の当社一眼レフデジカメには、このカメラダイレクト機能は搭載していなかった。10Dは銀塩一眼レフカメラユーザーで“そろそろ一眼レフデジカメを”と考えているユーザーに、PCの操作をしなくても印刷できるようにした」(キヤノン)。

ニコンは「まだまだD100で勝負します」

 一眼レフデジカメでキヤノンとし烈な争いを繰り広げているニコン。昨年のIPPFでは、低価格戦争の火付け役となったD100が国内で初披露され話題を呼んだが、今年は一眼レフデジカメで目新しい商品はない。それでもD100の人気は依然として高く、ブースでは多くのユーザーが順番待ちの列を作ってその感触を確かめていた。


D100の人気は依然として高い

 ニコン担当者にEOS 10Dについて聞いたところ「価格には驚いているが、今はD100も20万円台で買えるのでそれほど影響はない。それよりも、10Dのボディが意外と大きいのが気になった。実際に手にしてみると、コンパクトなD100の方が手にしっくりくるのが再確認できた。しばらく新製品は出さず、D100一本で頑張ります」とのこと。

 また、先月発表したスクエアボディのコンパクトデジカメ「COOLPIX SQ」も展示。レンズ部を回転できる同社お得意のスイバル機構が特徴だが、実際に操作してみるとスイバルの“ルービックキューブっぽさ”と、ボディのメタル感が非常に心地よい。


“ルービックキューブっぽさ”と、ボディのメタル感で操作が楽しい「COOLPIX SQ」

 レンズを後方に回転させて“自分撮り”もできるのだが、その時に回転するボディの一部が液晶ディスプレイを半分隠してしまう。すかさず指摘すると「いや大丈夫なんです」とニコン担当者。なんと、液晶が見える半分に画面が縮小されて表示されるのだ。


ボディの一部が液晶を半分隠してしまうが、残り半分に画面が縮小して表示

 「画面は小さくなるが、ちゃんと自分撮りもできる。コンパクトボディでも回転機構を装備するための苦肉の策」(ニコン)。そこまで“スイバル”にこだわるか……。ちなみに、価格と発売時期をたずねると「5万−6万円台で5月か6月ぐらいかな」。アッ…アバウトですね。

35mmフィルムフルサイズに6×8サイズ――プロ用で求められる“高画素化”

 コダックのブースでは、昨日発表したばかりのレンズ交換式一眼レフデジカメ「コダック プロフェッショナルDCS Pro 14n」が展示されていた。銀塩ボディと同じ画角で使用できる35mmフィルムフルサイズの有効1371万画素CMOSセンサーを搭載。こちらはプロカメラマンやフォトスタジオ関係者が熱い視線を投げかけていた。


35mmフルサイズセンサー搭載「コダック プロフェッショナルDCS Pro 14n」

 同じく“写真でメシを食っている”人びとの注目を集めていたのが、富士写真フイルムが参考展示した中判カメラ用CCDバックの試作機。コマーシャル撮影やフォトスタジオなどで使われている6×8サイズに対応するカメラバックだ。


中判カメラ用CCDバックの試作機

 有効2080万画素の大型CCDは、同社独自のスーパーCCDハニカム。画素補間により最大5408×7648ピクセル(4140万画素)の画像を撮れる。ただし、スーパーCCDハニカムは先日発表された第4世代ではなく、第3世代が採用されている。

 「CCD自体は1世代前のものだが、パラレル型の信号処理を行うなど技術面では新しいものを採用しているので、社内では“3.5世代”と呼んでいる。発売は今年秋頃を予定しているが、価格はまだ未定。200万円前後が妥当な線だろうが、なにしろ従来にない商品なので市場を見極めた上で決めていく」(富士写真フイルム)。

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[西坂真人, ITmedia]

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