News 2002年3月7日 11:59 PM 更新

フォトエキスポ前に最新一眼レフデジカメが触れる!――IPPF 2002

都内で開催されているプロ用写真機材の展示会「国際プロ・フォト・フェア(IPPF)2002」では,今春発表されてPMAでも話題となったレンズ交換型の一眼レフデジカメが登場。一般ユーザー向けのフォトエキスポ前に実機に触れるとあって,“コア”なアマチュアカメラファンが数多く訪れていた。

 プロ用写真機材を一堂に集めた展示会「国際プロ・フォト・フェア(IPPF)2002」が,3月9日から東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催されている。本来は,プロカメラマンやフォトスタジオなど写真業界の関係者を対象にしている催しだが,ハイアマチュアと呼ばれる“コア”なカメラファンも数多く集い,普段なかなか見ることができないプロ用機材も間近に見れるなどマニアックな一面も楽しむことができる。


プロ用写真機材を一堂に集めた「国際プロ・フォト・フェア2002」

 ただ近年は,コンシューマ向けの「フォトエキスポ」が同じ月に開催されてきたこともあり,IPPFはよりプロ向けに特化した内容となっていた。今回も,3月22日から行われるフォトエキスポ2002をふまえて,馴染みのあるデジカメメーカーの出展は少なかったが,それでもニコンやキヤノン,コダックといったプロ向けにも力を入れているカメラメーカーが,最新のデジカメを展示していた。

 中でも注目を集めていたのが,レンズ交換型の一眼レフデジカメだ。従来,高価な上に大きくて重いプロ用が主流だったこのジャンルに,一眼レフカメラメーカーが満を持して今春投入した30万円を切るレンズ交換型の一眼レフデジカメが出展されていた。

 ニコンは,2月21日に発表した「ニコンD100」を出展。実機が自由に触れるようになっており,実際に手にとって操作感を確かめることができた。一般へのお披露目自体も国内では今回が初めてということもあり,多くのユーザーがその感触を確かめるために順番待ちの長い列を作っていた。

 製品発表では,発売日・価格ともに未定ということだったが「今夏までには発売したい。価格はD1Xの半分ぐらいを予定しているので,30万円は切るだろう」とのことだ。


ニコンD100

 キヤノンも,2月25日に発表した「キヤノン EOS D60」を紹介していた。こちらも,国内では初のお披露目となる。軽量化のために同社のG2シリーズやDVカメラなどで使われている小型のリチウムイオン充電池を利用しているが,自社開発の低消費電力CMOS採用も手伝って,本体バッテリーだけで最大500枚は撮影できるという。3月下旬発売で,本体と電源のセット価格は35万8000円。「実売は27万円前後となるだろう」(同社)。


キヤノン EOS D60

 京セラのブースでは,発売延期などでカメラファンをヤキモキさせた「CONTAX N DIGITAL」が展示されていた。価格が80万円と,個人ユーザーでは手が届きづらい“高嶺の花”となっているが,実機を手にとって試せるコーナーには,“せめて触るだけでも…”とばかりにアマチュアカメラファンが数多く集まっていた。


CONTAX N DIGITAL

 プロ用機材で来場者の注目を集めていたのは,米Eastman Kodakが2月24日にPMAで発表した645判(セミ判)カメラに装着できるデジタルカメラバック。銀塩645カメラをそのまま1660万画素CCD搭載のデジカメとして利用できる。

 会場ではマミヤ・オーピーが「マミヤ 645AF/同AFD」用のデジタルカメラバック「DCS Pro Back 645M」を展示していた。また,コダックブースでは,写真家の望月宏信氏によるデジタルカメラバック使用例の紹介が行われていた。


「マミヤ 645AF/同AFD」用のデジタルカメラバック

 会場ではデジタルラボシステムの紹介も数多く行われていた。その中で,ZDNetでもたびたび取り上げた「使い切りデジカメ」のプリントシステムに採用されていたアルテックのデジカメ用ミニラボシステムが展示されていた。

 使い切りデジカメでは専用ケーブルを介して接続されていたが,通常はPCカードスロットを使ってデジカメデータを読み込む。昇華型熱転写方式を採用し,1枚14秒という高速印刷が行えるのが特徴。ランニングコストは1枚25円以下となっている。

 「小規模なDPEショップや商店向けのシステム。すでに,三省堂書店や第一ホテルチェーンなどに納入している。テスト販売した使い切りデジカメでの採用で,認知度が高まった」(アルテック)。


使い切りデジカメでも使われたデジカメ用ミニラボシステム

関連記事
▼ キヤノン「EOS D60」発表,630万画素CMOSを新開発
▼ ニコン,デジタル一眼レフ「D100」発表
▼ 「CONTAX N DIGITAL」,フィルムサイズCCD搭載で来年2月発売
▼ Kodak,645用1660万画素デジカメバックを発表
▼ 1枚15秒の高速プリント。画質は……!?――使い切りデジカメ(プリント編)

関連リンク
▼ 国際プロ・フォト・フェア 2002公式サイト

[西坂真人, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.