News 2003年3月31日 10:32 PM 更新

近未来のIT住宅はこうなる?――“松下電工ビル”を見てきました

松下電工の情報受発信拠点「松下電工ビル」が4月10日にオープンする。ビル全体が同社の事業戦略を表しているという、最新テクノロジーが集結したこの注目スポットを紹介しよう

 松下電工の情報受発信拠点「松下電工ビル」が、東京都港区の再開発エリア「汐留シオサイト」にオープンする。4月10日のグランドオープンに先駆けて、マスコミや業界関係者を対象にした事前説明会が3月31日に行われた。

 「ビル全体が当社の事業戦略そのもの」(西田一成社長)という同社の最新テクノロジーが集結した注目のスポットを、フォトレポートで紹介しよう。


4月10日にグランドオープンする松下電工ビル

 松下電工ビルは、都心では最後の大型再開発エリアといわれるJR(旧国鉄)汐留貨物駅のターミナル跡地「汐留シオサイト」に立地。地上24階/地下4階の建物は、“ショールームビル”としての機能のほか、同社の東京本社としての役割を担う。

 ショールームとして一般ユーザーが利用できるのは、地下2階から地上3階までの5フロア。ここに、住宅設備・建材、非住宅設備、美容・健康商品など同社の商品群を展示した「NAISショウルーム汐留」が設置されている。


同社の商品群を展示した「NAISショウルーム汐留」

 ショールームでの見所は、近未来の住空間を同社の最新技術で紹介する1階フロアの「Tomorrow Zone」。“Future”ではなく“Tomorrow”なのは、「遠い将来ではなく1−2年以内に商品化を目指す最終試作段階であることを表している」(同社)からだ。

 ここでは、あらゆる設備機器や端末をインターネットに接続できるようにするミドルウェア技術「EMIT(Embedded Micro Internetworking Technology)」を使ったセキュリティ/家電コントロールシステムが紹介されている。


EMITを使ったセキュリティ/家電コントロールシステムが紹介されている「Tomorrow Zone」

 EMITを住宅設備に応用した「エミット・ホームシステム」は、ゲートウェイにJEM-A(HA端子)/TCP/IP/エコーネット/SCPといったさまざまなプロトコルの違いを吸収するミドルウェアを搭載し、TCP/IPベースのネットワークに仲介することで、住宅内の照明、ガスや火災センサなどのホームセキュリティ、施錠、分電盤、カメラなどを一括管理する。

 ポイントは、PCだけでなく携帯電話からでも各機器を一括管理できる点だ。火災や住居侵入といった警告情報が携帯電話に音声やメールで通知されるほか、携帯電話から施錠確認やリモートカメラを用いた遠隔監視も利用できるという。


エミットシステムでは携帯電話から各機器を一括管理できる

 2階のCo・La・Boフロアにあるテクノラボ展示ルームでは、このEMITをIPv6化する次期システムも紹介されていた。これは3月25日に発表されたもので、同社ではインターネット総合研究所(IRI)と提携してエミットシステムにIPv6を実装していくという。IPv6ルータ/ゲートウェイ機能を持った「HX(Home eXchange)」の試作機も参考出品されていた。


「HX(Home eXchange)」の試作機

 HXを使ったIPv6のデモンストレーションとして、イーサネットポートを持った“IPv6電気スタンド”をPC上で制御する例が紹介されていた。このシステムでは、IPv6アドレスの下位の64ビットを電気スタンド側で生成し、上位64ビットはHXが割り振るというカタチで、上位と下位のアドレスをあわせて世界でたった1つしかないユニークなグローバルアドレスを電気スタンドに割り振っていた。


“IPv6電気スタンド”をPC上で制御するデモンストレーション

エミットシステムは設備機器だけで50−300万円かかるが、HXシステムでは端末だけで10万円以下を目指しているという。「HX端末は2004年末までの商品化を目指したい」(同社)。

 2階のCo・La・Boフロアで注目なのが、ドーム型VR(バーチャルリアリティ)システム「サイバードーム」。これは、同社が昨年12月に発表した等身大の立体映像表示装置「CyberDome」の大型版だ。


ドーム型VR(バーチャルリアリティ)システム「サイバードーム」

 「VRシステムとしては世界最大級」(同社)という直径8.5メートルの半球ドーム型スクリーンを使って、現実と同等の視野角(水平180度、垂直150度)によるバーチャル体験が楽しめる。液晶プロジェクタ18台とPC19台を使い、歪みのない実寸大スケールで都市空間/景観照明/室内空間などを高解像度3D映像で表示することで、物体(建造物)の移動や変更、照明の変更といった設計上の検討が仮想空間で行える。

 個人的にたいへん興味を持ったのが、「suimin’room」。睡眠/覚醒/体温の周期変動をあらわした生体リズム「サーカディアンリズム」をベースに睡眠を科学的に考察しながら、同社の製品群による“質のいい眠り”を提案するというコーナーだ。


“質のいい眠り”を提案する「suimin’room」

 健康的な生活を支えるために必要な“睡眠”を、夜だけでなく1日の生活リズムで考えようというのが、suimin’roomのコンセプト。朝の目覚めをスッキリさせるためのシャワーシステム「アキューブ」や、白い照明で眠りを浅くしてから起こす目覚し時計、昼間の眠気をサッパリさせるための“15分仮眠”を促すマッサージチェア、夜の入眠をスムーズに行うためのリラクゼーション製品群/各種住宅設備などが紹介されている。


 suimin’roomでは、空調や照明の制御にエミットシステムの情報コントローラ「Homity」を使っている。将来的にはほかの“安眠機器”も、エミットシステムによってネットワーク化される可能性もあるという。終電で帰宅し、食事・風呂・ウェブサーフィンを終えて午前3−4時ごろに泥のように眠る“質の悪い睡眠”を繰り返す筆者にとって、大いに期待したい商品だ。

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[西坂真人, ITmedia]

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