News:アンカーデスク | 2003年7月4日 08:03 PM 更新 |
以前見たときには、ちょうど人間の顔のにちょうどいいサイズのものしかなかったのだけど、今回はそのほかに、十数センチ程度のものを取り込む小さいサイズのDanae100(上の写真のもの。
撮影用のターンテーブルはオプション)と、全身像が取れるような大きなDanae300(これは実物はおいてなかった)とが登場していた。また、顔サイズのもの(Danae200)は、データ取り込みにかかる時間が1秒と短くなっていた。この時間ならじっとしていられる。
分解能はサイズにもよるのだけど、顔サイズのDanae200で0.5ミリ。朝と夜に顔を取り込んで差分をとって、「ほらこんなにむくむんですよ」っていうのがわかる性能だそうだ。実際、美容関係やエステ関係で使われるらしい。
全身の方は、それこそゲームセンターにあって、自分の3Dフィギュアが作れる3Dプリクラ! なんてのができたらいいなと思うのだけど、まだそれはできないかな。
モーションキャプチャ
人間(とはかぎらないけど)が踊ったり走ったりすると、その動きがPCに取り込まれるというもの。以前は、身体中にポテンショメーターを付けたメカメカしいものが多かったのだけど、最近は光学的に取り込みをするものが増えてきた。
身体には要所要所(だいたい関節部分)に光を反射するボールを付けておいて、カメラでその動きを追跡するというものだ。3次元的な位置を撮るのだからカメラは最低2台必要。実際には身体の影に隠れたものをフォローしなければいけないから、4台とか8台とか多数のカメラで取り囲むのが普通。
今回、このタイプのものが2つ展示されていたのだけど、それぞれ考え方が違う。両方紹介してみよう。
まず、ナック・イメージ・テクノロジーのVicon。
人間には、小さな灰色のボールを付けて、これをカメラで撮影する。カメラのまわりにはリングライトが付いていて、光源とカメラとの軸が一致している。
灰色のボールは、どちらから来た光も元の方向に反射させる素材(自転車や子供のスニーカーの反射シールに使うようなもの)で出来ている。だから、光源と軸が一致したカメラからみると、このボールはとても明るく浮き上がって見えるのだ。
あとは、このボールの動きをカメラで追跡すればいい。カメラは最大12台(*6)だけど、デモでは8台。また、光源の波長も赤から赤外線の領域で3種類用意されているので、反対側にあるカメラのライトと干渉する事態も避けられる。
このシステムは、ボールの空間座標をまじめに測定して記録していく。身体はそのボールをつなぐことで再現されるわけだ。でも、それにはかなりのCPUパワーを必要とする。リアルタイムで実現するために大きなデータステーションを必要としてるのだ。そのかわり記録は厳密だから、医療用やスポーツ解析に十分使えるクオリティがある。
一方、スパイスが展示していたのはSTTだ。
こちらも、身体の関節にいくつものボールを取り付けてライト付きカメラで撮影する(ただし、こちらのカメラは最大6台)。ここまではいっしょ。でも、そこから動きを再構築するために、まず人間の骨組み(といっても針金細工みたいなものだけど)を考える。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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