News 2003年7月18日 03:45 PM 更新

世界PC出荷台数、久しぶりの2けた成長――Gartner調査

Gartnerの調査で、4〜6月期の世界PC出荷台数が10%の成長を記録。上位メーカーも4社が2けた成長を達成した。また欧州、中東、アフリカ地域では13%と1999年以来最高の出荷伸び率。

 Gartnerが7月16日に発表した調査速報によると、4〜6月期の世界PC出荷台数は、2000年7〜9月期以来、初の2けた成長を記録したという。

 4〜6月期の世界PC出荷台数は、前年同期から10%拡大して3280万台に達したとGartnerの発表文には記されている。

 Gartnerのワールドワイドコンピューティングプラットフォーム部門副社長、チャールズ・スマルダーズ氏は、PC業界は予想以上に好調だったと語り、市況は改善していると示唆した。しかし同氏は、改善が続くかどうかは経済情勢と、景気が企業のアップグレードサイクルに及ぼす影響次第だと注意を促している。

 米企業のIT予算が依然として緊縮状態にあることは、Gartnerの最近の調査で確認されている。

 4〜6月期は、上位PCメーカー5社のうち4社が2けたの出荷伸び率を達成した。世界第1位のメーカーはDell Computerで、台数ベースで17.6%の市場シェアを獲得した。同四半期のPC出荷台数は580万台と、前年同期の460万台から29.5%拡大している。

 Dellのすぐ後ろにつけているのが、シェア16.1%のHewlett-Packard(HP)だ。HPの出荷台数は530万台で、前年同期の470万台から12.1%伸びた。

 3位のIBMは220万台のPCを出荷、13.4%の成長率を記録した。シェアは6.7%と、依然2位に水を空けられている。

 4位の富士通はシェア4%、出荷台数は前年同期比10.8%増の130万台。

 5位のNECは、上位5社の中で唯一、4〜6月期にマイナス成長を記録した。同社の出荷台数は前年同期から2.7%減少している。市場シェアは3.1%だった。

 4〜6月期の米国でのPC出荷台数は、コンシューマー市場と教育市場での強い需要も一因となって、11.1%増加した。Gartnerのスマルダーズ氏によると、コンシューマー市場では、低価格PCとモバイルPCが重要な牽引役になったという。

 米国市場でも同四半期の首位はDellで、出荷台数は26.1%増の370万台だった。シェアは31.1%で、同社を除く上位ベンダー4社、HP、IBM、Gateway、Apple Computerのシェアを足した数値(32.8%)をもう少しで超えそうだ。

 欧州、中東およびアフリカ(EMEA)地域のPC市場は予想以上に好調で、4〜6月期の出荷台数は前年同期から13%伸びたと、Gartnerが16日に発行した別の調査速報に記されている。同社によると、13%という成長率は同地域では1999年以来最高の数値だという。

 しかし、好調な成長率の陰に隠れて見えないが、企業とコンシューマーではPC需要のトレンドが異なるとGartnerは指摘する。コンシューマー向けPCの売上は2003年1〜3月期末の時点の停滞状態から回復しなかったが、企業向けPCの出荷は加速したという。

 EMEA地域ではHPがシェア19.4%で首位を獲得。4〜6月期の出荷台数は、前年同期の170万台から13.3%伸びて190万台となった。

 2位のDellはシェア9.7%とHPに引き離されているが、31.2%の出荷伸び率を達成し、好業績を示している。

 3位は欧州ベンダーのFujitsu Siemens Computerで、シェアは6.6%、出荷伸び率は3.8%。それに続くIBMは、5.7%のシェアを獲得し、18.9%の出荷伸び率を記録した。5位のAcerは市場シェアは4.6%だが、出荷伸び率では25.3%とDellに次いで2位につけている。

 アジア・太平洋地域のPC出荷台数は、主にSARSによる中国での企業活動への影響が原因で、予測を下回ったとGartnerは述べている。同地域の出荷台数に関するデータはまだ提供されていない。

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[John Blau, IDG News Service]