News | 2003年9月22日 10:17 PM 更新 |
独自の円錐バネ機構を採用した静電容量無接点方式で、“速く打てて疲れにくいキーボード”として人気となっている「Realforce」シリーズに、今秋、待望のテンキーレスタイプが登場する。開発担当者に開発経緯や今後の販売予定などを聞いた。(“速く打てて疲れにくい”独自機構の詳細は別記事を参照)
ZDNetでRealforce 106のテンキーレスタイプ開発の第一報をお伝えしたのが、昨年(2002年)の11月。この開発表明から1年弱、ファンにとってはようやく待ちに待った日が訪れるわけだ。ちなみにインタビューの時点で同社電子機器部開発課長の浅野護氏は「来春の発売を目標に開発を進めている」と語っていた。
「当初は、遅くとも6月までには出したいと思っていたのだが、“ある理由”によって仕様変更をしなければならなくなり、予定よりも4カ月ほど遅れてしまった。(昨年11月の)ZDNet掲載記事を見たユーザーからの問い合わせも多く、発売を待ち望んでいた人には大変申しわけなく思っている」(浅野氏)
同社はテンキーレスタイプよりも先に、全てのキー荷重を最軽量(30グラム)に設定した“超軽打鍵タイプ”「Realforce106S」を昨年末から、101キータイプ(ASCII配列)英語キーボード「Realforce101」を今年4月からそれぞれ発売している。
「Realforce106Sは、テスト販売した産業交流展での反応が良かったので量産モデルに切り替えた。101キータイプは以前から要望が高くて、開発も先行していたため」(浅野氏)
産業交流展では、テンキーレスタイプのキー配列などに関するユーザーアンケートを実施。そこでの調査結果が、今回の新製品に生かされている。
テンキーレスタイプのサイズは、366(幅)×168.5(奥行き)×37.5(高さ)ミリで、重さが約1.2キロ。Realforce106(456×168.5×39ミリ、約1.4キロ)に比べて、ちょうどテンキー部分からバッサリ切り取った形となっている。キー配列も、左下のWindowsキーと右下のApplicationキーがないRealforce 106の配列を継承した。
テンキー以外でのRealforce106との外見上の違いは、左上の各種Lock(Num/Caps/Scroll)表示LEDが省略された点と、チルトアップ時の安定感を増すために2カ所に装備されたゴム足、キーボードケーブル用スリットが左右だけでなく中央にも設置された点など。円錐バネ機構の静電容量無接点方式や、打鍵場所によって異なるキー荷重(主要部分45グラム、小指部分30グラム)など、Realforce 106の特徴である“速く打てて疲れにくい”機能はしっかりと受け継いでいる。
注目したいのは、キーボードの高さがRealforce106に比べて1.5ミリ低くなっている点だ。ほんのわずかだが、この差が打鍵感に大きく関ってくるという。また、基板材質の見直しなどで打鍵時の剛性感を高めている。
さて、気になるのは価格と発売時期。現在のシリーズは、Realforce106とRealforce106Sがともに1万6800円(実売1万6000円前後)、Realforce101が1万7800円(実売1万7000円前後)となっているが、テンキーレスタイプはオープン価格に変更され、発売は10月末頃になるという。従来のRealforceシリーズ取り扱い店舗で購入できる予定だが、例によって生産数量が少ないため、各店舗で在庫が置けるかは微妙なところだ。
「店頭ではRealforce106よりも“若干”安くなるぐらいの価格になるだろう。今週あたりから各店舗にテンキーレスタイプが案内される予定なので、発売日になんとしても入手したいというユーザーはショップに予約を入れてもらいたい」(浅野氏)
USB接続型も開発中
うれしいニュースがもう一つ。Realforceシリーズはすべて、PC接続インタフェースがPS/2なのだが、テンキーレスタイプにはPS/2以外にUSB接続型も用意されるという。価格はオープンだが、実売はRealforce101(17000円前後)よりも若干高くなる見込みだ。
「PS/2よりも価格が高くなっているのは、USB対応以外に“キー配列変更機能”を搭載したため。変更は裏面のディップスイッチで行う。変更箇所は現在、キー左端の“CapsLock/英数”と“Ctrl”との切り替えが候補に上がっている以外は未定。現在開発中とのことで発売時期は未定だが、数カ月後、早ければ年内ギリギリにも登場する予定」(浅野氏)
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[西坂真人, ITmedia]
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