News:ニュース速報 | 2001年12月28日 10:08 AM 更新 |
日本経済新聞は12月28日付けで,ソニーがニフティ買収に向け,ニフティの親会社である富士通と交渉に入ったと報じた。
報道によると,11月上旬から両社の経営陣が交渉を重ね,既に買収額の調整に入っているといい,1000億円前後になるという。2002年2月までに結論を出すとしている。買収後,ISP「So-net」を運営するソニー子会社,ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)と統合させる方向という。
報道について,ソニーと富士通は同日,「協業について話合いはあるが,決定事項はない」とのコメントを発表,交渉に入っていることを認めた。
またSCNは「富士通とソニーがインターネット事業について協力関係を築こうとしていることは事実だ。だが,その内容について,まだ具体的に決定していることはなにもない。ニフティ買収報道についてはコメントできない」(広報)とした。さらに「ブロードバンド時代には,ユーザーベースが重要。SCNはM&A戦略を推進しており,現在も話をしているところがある」(同)と他ISPの買収にも含みをもたせた。
ニフティのISP「@nifty」は会員500万人で国内ISP最大手。「So-net」は会員数で伸び悩み,現在は約180万人で国内シェア6位となっている。ソニーはニフティの買収でコンシューマー向けネット事業の基盤を固め,グループの豊富なコンテンツ配信事業や,PCやネット家電事業との相乗効果も見込める。富士通は2002年3月期,国内IT系企業では最大となる3100億円の連結最終赤字を計上する見通し。ニフティの売却で財務体質を改善,企業向けシステム構築事業に集中できるメリットがある。
SCNは,ジャストシステム傘下の「JustNet」を10月に買収している。また松下電器産業と三菱電機は25日,「hi-ho」とDTIの運営で提携すると発表した。右肩上がりだったインターネットユーザーの増加曲線が踊り場を迎えつつある上,競争の激化で料金も下落。さらにブロードバンド向けインフラとサービスへの準備で投資負担も増えている。2002年以降,生き残りをかけたISP同士の合従連衡が加速しそうだ。
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