指をかざして認証するATM、来春に登場へ
日立とオムロンの合弁新会社が、指静脈で本人確認する業界初のATMを開発中。FeliCaのリーダー/ライターや、Bluetooth通信機能、赤外線通信機能も搭載可能だ。
10月1日に発足した日立製作所とオムロンの合弁会社・日立オムロンターミナルソリューションズは、指静脈認証機能を搭載したATM「Leadus AK-1」を来年春に発売する。
画面右側に装備した指静脈認証センサーに指をかざして本人確認するATM。指の静脈パターンは一人一人異なるため、本人以外の利用を防げるとししている。同社によると、指静脈認証機能付きATMは業界初。
生体認証機能搭載したATMとしては、東京三菱銀行が先月、手のひら静脈認証対応機を発表しているが、同社の下條哲司副社長は「手のひら静脈認証よりも指静脈認証の方が信頼性が高い」と自信を見せる。ただし認証精度については、「まだトライアル中なので不明」(下條副社長)。
また、手のひら認証と比べた場合、「手は2本しかないが、指は10本ある。極端な話、両手の指10本分のデータを登録しておけば、怪我などで指が数本使えなくなっても大丈夫」(説明員)とのメリットを挙げた。
指認証センサー部は、非接触ICカード技術「FeliCa」対応のリーダー/ライターや、Bluetooth、赤外線通信モジュールにも替えられる。キャッシュカード代わりにモバイルFeliCa対応携帯電話を利用する(関連記事参照)など、携帯端末用の新機能を搭載可能だ。
「指静脈認証については、すでに複数の金融機関から問い合わせを受けている」(下條副社長)。1年間で2万台と言われる国内ATM市場で、今後3年間で3万台の出荷を目指す。
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