KDDIの「光プラス」、一戸建て&小規模マンション向けメニューを追加
KDDIは、FTTHサービス「KDDI光プラス」に戸建て住宅を対象とする新メニュー「光プラスホーム」を追加すると発表した。NTT東西地域会社のダークファイバーを活用。最大1Gbpsの帯域幅を最大64人で共有する形だ。
KDDIは、FTTHサービス「KDDI光プラス」に戸建て住宅を対象とする新メニュー「光プラスホーム」を追加すると発表した。NTT東西地域会社のダークファイバーを活用し、最大1Gbpsのアクセス回線を月額6720円で提供する(宅内は100Mbps)。2005年1月12日に申し込み受け付けを開始。初期費用などが無料になるキャンペーンも合わせて実施する。
KDDIは2003年10月から「光プラス」を提供しているが、その対象は5階建て以上の大規模マンションに限られていた。今回の新サービスでは、一戸建てのみならず、2階建て以下の小規模マンションに居住しているユーザーも1契約から申し込みができるようになる。「首都圏には約1250万戸の住宅があるが、(新サービスの追加により)1〜2階建てマンションと一戸建て住宅で約87%の住宅をカバーできる」(ブロードバンド・コンシューマー事業本部ブロードバンド企画部長の片岡浩一氏)。
ただし、残る13%(約170万戸)にあたる3〜4階建てのマンションはサービス対象外。その理由について片岡氏は、「3〜4階建てのマンションはエレベータの設置義務がなく、建物自体やエントランス部分にも比較的余裕のないケースが多い。今回は現実的にサービスを提供するのは難しいと判断した」と説明。その上で、「順次、3〜4階建てのマンションにも対応にしていき、すべてを埋めていきたい」と話した。さらに、光プラスホーム自体の対象エリアも、当初は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一部を含む関東エリアのみだが、来年度以降に順次拡大していく方針だという。
1Gbpsを最大64分岐
最近、1Gbps共有タイプのFTTHサービスが複数登場しているが、KDDI光プラスホームも他社と同じようにNTT地域会社のダークファイバーを使用する。アクセス回線は最大1Gbpsだが、実際にユーザーが利用できる帯域幅はONU側で最大100Mbpsに制限される点も同じだ。
ただし、NTT局内に設置するGE-PON(Gigabit-Ethernet PON)でまず8分岐するため、最終的に最大64分岐となる点が異なる(YBBやNTT地域会社は32分岐)。もっとも片岡氏によると、これは帯域幅を節約することが目的ではないという。「FTTHユーザーはまだ少なく、各エリアに点在している状況だ。局内で分岐することで4方向のエリアに向けたサービスを提供可能になり、局内設備あたりの使用効率を向上させることができる」。
そのほかのサービス内容は基本的に「KDDI光プラス」と同じ。もちろん、ユーザーはKDDI独自のIP電話「光プラス電話」や、多チャンネル放送&VoDの「光プラスTV」を併用可能だ。月額料金は下記の通り。このほか、加入時に登録費用(各3150円)と工事代を含む初期費用(3万1500円)が必要になる。
またKDDIでは、光プラスホームの提供開始に合わせて、3月末までに申し込み手続きを済ませると初期費用(3万1500円)と最大2カ月ぶんの月額基本料金が無料になるキャンペーンを実施する。IP電話サービスを合わせて申し込んだ場合、加入者同士の通話も2005年3月末まで無料。さらに光プラス電話に「050」電話番号を付与するオプション(月額150円)も3月末までは無料になる。
メニュー | 月額提供料金 |
---|---|
光プラスネットDION(個別) | 6720円 |
光プラスネットDION+光プラス電話 | 7245円 |
光プラスネットDION+光プラスTV | 9240円 |
光プラスネットDION+光プラス電話+光プラスTV | 9765円 |
光プラス電話+光プラスTV(※1) | 7591.5円 |
メニュー | 導入費用(一時金) |
---|---|
初期費用 | 3万1500円 |
光プラスネットDION登録料 | 3150円 |
光プラス電話登録料 | 3150円 |
光プラスTV登録料 | 3150円 |
なお、KDDIでは今回のサービス開始に合わせて宅内設備のホームゲートウェイ(ルータ)をバージョンアップする。メーカー名などは明らかにしていないが、スループットの向上にくわえ、IEEE 802.11a/b/g対応の無線LAN機能(スロット+付属カード)が追加される予定だ。
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