消火作業に懸命の消防士が「すぐ戻るから」──動画共有サイト「YouTube」がダウンしたとみられる6月23日、トップページにこんな画像が現れた──が、この画像、実は日本の消防士なのだ。
膨大な容量の動画と多数のユーザーを抱えているためか、時おりダウンすることがある同サイト。今月初めに利用不能になった時は、おかしな英語と「電話してくるな」といったメッセージが表示された(関連記事参照)。
今回は「今やってます、すぐ戻ります」のメッセージと消防士のイラスト。「メンテナンス中」の表示をこんな形で行うサイトは珍しいが、作業に当たる現場の“必死感”と、米国のITベンチャーらしいユーモアセンスが伝わってくる──のだが。「この画像、どこかで見たことないか?」
ページのソースを調べてみると、画像ファイル名は「jfire.jpg」で、altは「Japanese Fire Access Panel」とある。画像右上に見えるマークらしきものが元ネタ探知のカギになりそうだ。
金曜日の午後だ。編集部総出で調べたところ、マークは東京都の紋章だと判明。そういえばそうだった。これを手がかりにさらに調べを進めると、ようやく元ネタらしいものが見つかった。
それは東京都の消火栓のふたに描かれたイラストだった。
この前のダウン時に表示された英語「ALL YOUR VIDEO ARE BELONG TO US」は、日本人による変な英語としてネット上で有名なフレーズをもじったものだった。今回もまた日本に関連したものだ。
最近、不正にアップロードされたと見られる日本のアニメが同サイトからごっそり削除される事件が起きた。消防士はホースの先をどこに向けているのだろうか。
関連記事
- YouTubeからアニメが消えた?
- 「スプー」削除の舞台裏 「YouTube」にテレビ局苦慮
YouTubeの違法動画に、テレビ各局が手を焼いている。NHKは「スプーの絵描き歌」の動画削除を依頼し、米YouTubeもそれに応じたが、削除直後に同じ動画がまたアップ。いたちごっこが続く。 - YouTubeの謎のメッセージの正体は……
YouTubeは謎のメッセージが世間を騒がせたことを謝罪した。 - YouTubeに謎のメンテナンス?画面
YouTubeが一時利用できない状態になった間、メンテナンス中を知らせると思われる画面に謎のメッセージが。「日本人に何か言いたいことがあるのでは」という見方も。 - 異例の人気 動画共有「YouTube」の正体
日本で月間200万人以上が使っているという動画共有サイト「YouTube」。サービスのルーツや、オープンからわずか1年で人気を高めた背景を探った。 - 特集:YouTubeの可能性と危うさ
人気の動画共有サイト「YouTube」は、動画コンテンツの新たな可能性を開くのか、著作権違反コンテンツの温床で終わるのか――その動向と波紋を追う。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.