ヤフーが「CGM化の大号令」 MySpaceは「連携も」(2/2 ページ)
ヤフーがユーザー参加型サービスを急ピッチで増やし、「CGM化」を進めている。「SNSなどCGMはもうからないと言っていたが、前言撤回する」――ヤフー井上社長が見つけたCGMの“カネの出所”とは。
MySpaceは「競合する部分もあるが……」
親会社のソフトバンクは、世界最大のSNS「MySpace」を国内に持ち込み、子会社を設立して日本語版の展開を始めた。MySpaceはミュージシャンとリンクできる機能を売りにしており、芸能人の参加を進めているYahoo!Daysと直接競合しているように見える。
だが井上社長は「競合する部分もあるが、そうでない部分もある。MySpaceのようなサービスは、外にあるよりも身内にあったほうがいい」とし、MySpaceを直接の競合というよりもグループ会社の別サービスとしてとらえ、提携の可能性も検討していると語る。
具体的な提携の話は進んでいないというが「Yahoo!IDとMySpace IDの連携ができないか、と考えている。ただ技術的にはとても大変」という。先方が許すならば、mixiなど他社サービスともID連携していきたいとした。
「今あるサービスが多すぎる」
米Yahoo!が昨年買収した写真共有サイト「Flickr」やソーシャルブックマーク「del.icio.us」もCGMだが、国内展開はいまだに「悩んでいる」という。FlickrはYahoo!フォトと連動させるべきか、別サービスとしてやるべきか、動画投稿機能を付けるべきかが悩みどころだ。ソーシャルブックマークは、11月15日に独自サービス「Yahoo!みんなのトピックス」をスタートしている。
「今あるサービスが多すぎる。今あるサービスを継続的に使いやすく、便利にしながら、新サービスも展開しなくてはならない。何もないところから全速力でやるよりは、スピードが落ちてしまう」
「楽オク」には余裕
Yahoo!オークションは国内オークションサイトで1人勝ちが続いており、井上社長は楽天とNTTドコモがこのほどスタートした「楽天オークション」(楽オク)にも余裕の構え。楽オクの開始でむしろ、市場が広がると期待する。「今はまったく競合がない状態。これもマーケットの広がりには限界があるように感じていた」
楽オクは、出品者と落札者が匿名エスクロー方式で取引する。それぞれのプライバシーは守れるが、商品を指定の郵便局まで持って行かねばならなかったり、送料が余分にかかるなど問題も指摘されている。
「当社も匿名エスクローはやりたいと思って2年前から検討してきた。だがユーザーの利便性を損なわず、法律にも抵触しない手法がまだ見えない」
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