国際レコード産業連盟(IFPI)が1月17日に発表した統計によると、インターネットと携帯電話を通じたレコード会社のデジタル音楽販売額は、2006年に世界で推定20億ドルに達し、前年に比べて約2倍となった。また、音楽販売額全体に占めるデジタル音楽の比率は10%に拡大しており、IFPIでは「2010年までには、少なくとも4分の1を占めるようになる」と見ている。
シングルトラックのダウンロード数は、前年から89%伸びて7億9500万曲。オンラインで入手できる楽曲数もほぼ倍増し、400万曲となっている。
世界のデジタル音楽販売額のうち、携帯端末向けが約半分を占めている。この比率は国により大きく異なり、日本では約90%が携帯向けだという。IFPIでは、NokiaやSony Ericssonなどが音楽プレーヤーつき携帯を開発、AppleもiPhoneを発表していることに触れ、「2007年は携帯向け音楽市場にとって画期的な年になりそうだ」としている。
一方、著作権侵害の問題もある、とIFPI。2006年に相次いだ大規模ファイル交換者に対する法的措置は、海賊行為の抑制に役立っているものの、十分な対策ではないと指摘。問題解決のためには、ISPなどとの業界を越えた協力も必要だとしている。
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