子供を有害コンテンツから守る業界対策、改善の余地あり――FTC報告書
業界はレーティングやラベル表示などの自主規制をおおむね守っているものの、インターネット上での広告配信などで改善の余地があるという。
米連邦取引委員会(FTC)は4月12日、子供を有害なコンテンツに触れさせないための映画、音楽、ゲーム各業界の取り組みに関する報告書をまとめた。3業界とも、レーティングやコンテンツの販売に関して自主的に基準を設定しており、特にゲーム業界では運用面で大きな進展が見られるものの、まだ各業界とも改善の余地があるとしている。
報告によると、各業界とも、コンテンツのレーティングやラベルの表示に関しては概して自主基準に沿っているという。一方、R指定映画やMレーティングのゲーム、不適切な表現を含む音楽などのコンテンツの広告配信の制限については不十分で、特にインターネット上の広告配信に関し、基準の策定や運用がテレビ広告に比べて遅れているという。
また、FTCでは報告書の作成に際し、小売店での規制遵守状況を調査。13〜16歳の子供が保護者なしで店舗を訪れ、有害なコンテンツを購入できた比率は、Mレーティングのゲームでは42%で、2000年調査の85%から大幅な改善が見られる一方、R指定映画のチケットの購入では39%(2000年は46%)、「不適切表現有り」と表示された音楽コンテンツの購入では76%(同85%)で「あまり改善が見られない」としている。
FTCでは、MySpaceなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や、YouTubeなどのバイラルビデオサイトを通じたマーケティングについても調査。こうしたサイトでは、広告主などがプロフィールページを作成、そこでコンテンツの紹介などを行っているが、レーティングなどの情報が表示されている場合は少ないという。FTCでは、こうしたサイトは17歳未満の子供も目にすると指摘。また、モバイルゲームの分野について、開発者はレーティングを採用しない場合が多いこと、小売業経由でなく、直接通信業者にゲームをライセンスできるなどの点を指摘。各業界に対し、今後の取り組みを強化するよう勧めている。
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