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Google、DoubleClickを買収する理由を説明
検索広告の重要性が低下する中、ディスプレイ広告市場に参入することで、広告主、パブリッシャー、コンシューマーにより貢献できるようになるとしている。
GoogleはなぜDoubleClickを買収するのか――Googleのグループプロダクトマネジャーが6月26日、同社の公式ブログで説明した。
Interactive Advertising Bureau(IAB)の「インターネット広告売り上げ調査」によると、オンライン広告の内訳は、テキスト広告が40%、ディスプレイ広告が40%、残り20%はメールやその他の広告となっている。Googleは、Yahoo!とMSNとともにテキスト広告では主導的立場にある。
だが、ディスプレイ広告ではAOL、Yahoo!、MSNの3つのポータルサイトがリードしており、Googleはこの分野ではマイナープレイヤーだ。そこで、インターネット広告配信サービス企業であるDoubleClickを買収することにより、ディスプレイ広告ビジネスを強化するのが狙いだとしている。
DoubleClick買収には以下のようなメリットがあるという。
- DoubleClickの製品と技術はGoogleの検索およびテキスト広告ビジネスを補完するものであり、買収によってコンシューマー、広告主、パブリッシャーそれぞれに新しいオンライン広告の機会を与えることになる
- GoogleのAdSenseはサードパーティーによる広告配信を認めていないため、広告主はキャンペーンのパフォーマンスを測るのが難しい。DoubleClickを買収することで、プラットフォームをよりオープンにし、広告主に、キャンペーンの効果測定に必要な指標を提供できるようになる
- 両社のインフラと技術を統合することにより、革新的な次世代広告配信技術を開発することができる
- DoubleClickの広告配信サービスDART for Publishersを利用するパブリッシャーに対し、さらに効率よく広告在庫を消化し収益を増やす手段を提供できる
その結果、DoubleClickの買収は、広告主、広告代理店、コンシューマーというネット広告にかかわるすべての人々に多大な利益をもたらすことになると結んでいる。
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