米IBMは10月30日、半導体製造工程で不要になったシリコンウエハーをソーラーパネルへと再利用する技術を、米バーモント州バーリントン工場で開発したと発表した。
再利用されるウエハーは、半導体の完成品にパターンを印刷する際に使用されるもの。IBMはウエハーの表面に印刷されたパターンを新技術によって完全に消去。まずプロセス評価用のモニターウエハーとして使用し、その後に太陽電池業界に向けて販売する計画。同社は現在、バーリントン工場でのみ新技術を利用しているが、ニューヨーク州イーストフィッシュキル工場でも導入を進めているという。
米半導体工業会(SIA)によると、世界全体で1日25万枚のウエハーが製造されているが、IBMの推定では、うち最高3.3%が廃棄処分となっている。年間300万枚が廃棄されている計算になる。ウエハーには知的財産が含まれるため、大半は外部に流出させることができず、ゴミ処理場に送られるか、溶解処分となる。
IBMのバーリントン工場では、不要ウエハーをモニターウエハーとして再利用することで、2006年には年間50万ドル以上のコスト節減を実現した。2007年は約150万ドルの節約が見込まれているという。
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