米Time Warner傘下のAOLは3月13日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の米Beboの買収で合意に達したと発表した。買収金額は8億5000万ドル。この買収によりAOLは、インスタントメッセージング(IM)サービスのAIMやICQを合わせ、約8000万人のユニークユーザーからなるネットワークを形成できるため、「成長著しいソーシャルメディア界で優位に立てる」としている。
世界中に4000万人以上の利用者を持つというBeboは、英国では最有力SNSの1つで、アイルランドやニュージーランドでは1位、米国でも3位のSNS。プラットフォーム「Open Media」を各種メディア企業に開放し、MTV NetworksやCBS、BBCなどがBeboユーザーにコンテンツを配信している。
AOLは、5日に開発者向けプログラムの新版「Open AIM 2.0」を立ち上げ、各種サイトやアプリケーションへのAIM統合をさらに簡易化するため、プロトコルを公開したばかり。ADTECHやBuy.atなどのオンライン広告企業買収に10億ドル近くを投じ、広告事業の拡大に努める一方、昨年17カ国で新サイトを開設、2008年も米国外の30カ国に進出する計画を持つなど、国際化を進めている。Beboについては「AOLのパーソナルコミュニケーションネットワークを完全に補完するものであり、当社をソーシャルメディアの主導的位置につけるもの」としている。
買収後、Bebo社長のジョアンナ・シールズ氏はAOLのロン・グラント社長兼COO(最高執行責任者)に直属し、Beboの事業運営を継続する。
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