米MicrosoftとAdobeの戦いがさらにエスカレートした。MicrosoftがAdobeの幹部を引き抜いたためだ。
Adobe Photoshopのチーフアーキテクトを務めたほか、Adobe Photoshop Lightroomの開発につながった同社の取り組みを立ち上げたマーク・ハンバーグ氏が、17年在籍した同社を退社した。同氏はMicrosoftに移る。
Adobeの動向を追っているブロガーのマーティン・イブニング氏は4月25日付の投稿で、次のように述べた。「ハンバーグ氏は、Photoshop 1.0のリリースから間もない1990年秋にAdobeに入社した。われわれ皆がほれ込み、Photoshopを日々使うときに頼りにしている素晴らしい機能の多くは、彼が開発に大きく貢献したものだ」
Microsoftは声明で、「ハンバーグ氏は、プロのクリエイター向けソフトの世界における伝説的人物であり、Photoshopの開発の立役者だ。Microsoftは、プロのクリエイター向けソフト市場に次の変革と革新の波を起こすことを任務とするチームに同氏を迎えることを、非常に楽しみにしている」と述べた。
イブニング氏は、ハンバーグ氏の退社はAdobeにとって打撃だと指摘した。
「マークの退社の重大さは軽視できないと思う。PhotoshopとLightroomの開発に彼が果たした貢献は、間違いなく多大であり、言うまでもなく、彼はAdobeの人々に惜しまれるだろう」とイブニング氏は投稿で述べた。
Adobeも同様の見解だが、ハンバーグ氏が強力なチームを残してくれたという認識も示した。
同社は声明で次のように述べた。「確かに、Adobeはマーク・ハンバーグ氏のリーダーシップと、Photoshop、Lightroomの両チームで同氏が見せた活躍によって、多大な恩恵を受けている。しかし、われわれは、同氏が残してくれたチームは同様に優秀で革新的だと確信している。われわれがLightroomのリリースを大成功させることができたのは、彼らの奮闘と努力のたまものであり、現在のLightroom 2.0 βでも、この成功パターンが続いている。われわれは、今後も写真家のニーズに応えることに重点を置き、このアプリケーションの限界を押し広げ続けることを楽しみにしている」
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