JASRAC、動画共有サイト「TVブレイク」提訴 1億2800万円賠償求める
JASRACが著作権を侵害されたとし、動画共有サイト「TVブレイク」を提訴した。JASRACが動画共有サイトを提訴するのは初。民事訴訟の提起はファイルローグ以来だ。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は8月6日、動画共有サイト「TVブレイク」によって著作権を侵害されたとして、運営企業のジャストオンライン(8月1日に「パンドラTV」から社名変更)に対し、約1億2800万円の損害賠償と、JASRAC管理楽曲の利用禁止を求めて東京地裁に提訴した。
JASRACが著作権侵害に関わる民事訴訟を起こすのは、2002年に日本レコード協会(RIAJ)などと共同でファイルローグを提訴して以来6年ぶりで、動画共有サイトの提訴は初(RIAJとJASRAC,「ファイルローグ」に3億6500万円の賠償求め)。
JASRACは昨年6月、ジャストオンラインに対し、権利侵害動画の配信を止め、投稿を防止する対策を講じるよう要請。これに対し、同社は「サイト上で行われる著作権侵害の責任は負わない」と主張して要請を拒否したため、提訴に踏み切ったという。
JASRACによると、TVブレイクには2006年2月のオープンから08年4月までに、JASRACの管理楽曲を含む動画ファイルが少なくとも2万613件投稿され、合計381万2198回視聴されていた。損害額を1曲1回の使用料に基づいて算定すると1億2800万円を超え、今後も侵害が続いた場合、1カ月当たり少なくとも944万円の損害が発生するとしている。
JASRACは動画共有サイトでの包括利用許諾条件(収入の1.875%をJASRACに支払う)を定めており、「ニコニコ動画」(ニワンゴ)、「Yahoo!ビデオキャスト」(ヤフー)などと契約を結んでいる。
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