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コンテンツ企業は「削除要求の前に公正使用を考慮せよ」――米裁判所
Universalが著作権を侵害していないビデオをYouTubeから削除させたとしてEFFが起こした訴訟で、裁判所はUniversalの訴訟棄却請求を退けた。
コンテンツ企業は、著作権侵害を理由にWebコンテンツの削除を要求する前に、公正使用に当たるかどうかを考慮しなければならない――米連邦裁判所の判事が、このような判断を示した。
この判断は、電子フロンティア財団(EFF)がUniversal Music Publishing Group(UMPG)を相手取って起こした訴訟で下された。EFFは昨年、UMPGがプリンスの曲に合わせて踊る幼児のビデオを著作権侵害としてYouTubeから削除させたことを、言論の自由の侵害だとして訴訟を起こした。UMPG側は訴訟の棄却を求めていたが、判事は8月20日にこの要求を退けた。
判事は命令書で、著作権保有者がデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の下でコンテンツ削除の手続きを進めるには、「そのコンテンツが公正使用であるかどうかを検討しなければならない」としている。著作権者が削除要求のプロセスを乱用しないよう、公正使用であるかどうかの検討は必要なものだとも判事は述べている。
EFFは、「一部のコンテンツ保有者はDMCAのプロセスで『先に撃っておいて後で質問する』方式を取っており、著作権を侵害しない公正使用に対する不適切な削除があまりに多くなっている」とし、この判決はインターネット上の言論の自由と公正使用の大きな勝利だとコメントしている。
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