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Google、ブック検索訴訟の2団体と和解――検索対象書籍増大へ
Googleブック検索をめぐり、著作権問題などで争っていた作家団体、米国出版社協会とGoogleが和解。和解合意が裁判所で承認されれば、ブック検索での全文検索可能な書籍が増大する。
米Googleは10月28日、作家団体のAuthors Guildおよび米出版者協会(AAP)がGoogleブック検索に対して起こした集団訴訟について、両団体と和解したことを明らかにした。
和解合意の内容が裁判所で承認されれば、Googleブック検索で検索、プレビュー、購入できる書籍の数が大幅に増加する。同社によれば、この和解により主に次の点が変更される。
- 従来より多くの絶版書籍の検索、プレビューが可能に
- 市販書籍のプレビューや購入方法の簡易化
- 米大学などの組織が世界の図書館の蔵書にオンラインでアクセスできるようになる
- 図書館に対する絶版書籍へのアクセス端末の提供
ユーザーがブック検索を利用することによってGoogleが得る収益は、新設された非営利団体Book Rights Registryによって、著者や出版社などの権利者に分配される。
合意に基づき、Googleは総額1億2500万ドルを支払う。支払金はBook Rights Registryの設立と、今回の訴訟の原告であった出版社などの訴訟費用に充てられる。
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