「お金払って」と呼び掛けたカフェスタ、終了へ 7年の歴史に幕
「サービス存続のためにお金を払って」と呼び掛けていたカフェスタの終了が決まり、約7年の歴史に幕が下りることになった。広告収入に頼るネットコミュニティーサービスの難しさが改めて浮き彫りになった形だ。
MCJは5月8日、100%子会社のカフェスタが運営するSNS事業を、オンラインゲームを運営するジークレストに譲渡すると発表した。ジークレストが運営するゲームコミュニティー「@games」に移行し、カフェスタは5月末で終了、約7年の歴史に幕を閉じる。
同サイトをめぐっては、運営コストをまかなうために「存続のために有料会員になるか、アバターなどを購入してほしい」と運営側がユーザーに呼び掛ける異例の試みで話題になっていた。だがMCJの本業であるPC事業で市場が停滞しており、競争力を再強化する必要があるとして、シナジーが見込めないSNS事業の譲渡を決めた。広告収入にほとんどを頼るネットコミュニティーサービスの運営の難しさが改めて浮き彫りになった形だ。
カフェスタは8日に決済機能を停止。サービスは31日で終了し、6月1日以降は新規書き込みや編集、削除などはできず、閲覧のみとなる。6月2日以降、データを@gamesに移行できるようにする予定。
IDやニックネーム、パスワードなどは移行後もそのまま使え、日記などのデータも一部を除き引き継がれる。有料アバターアイテムなどを購入したユーザーには、@games内で使える「セルフィ衣装交換券」を配布する。未使用の「カフェスタキャッシュ」は、@games内通貨の「Gコイン」に変換する。詳細はWebサイトで。
カフェスタサービスは旧パワードコム(KDDIが吸収合併)が2002年7月にスタート。04年からはパワードコムと韓国Daum Communicationsが共同出資したTAONが運営し、TAONはその後ライコスジャパンに社名変更。昨年4月、MCJがライコスジャパンから事業を取得して運営していた。
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