月周回衛星「かぐや」は約1年10カ月の探査を終え、6月11日午前3時半ごろ、月に落下する予定だ。月面に衝突する際の閃光を観測できる可能性があり、各地の天文台などが望遠鏡を向けて見守る。
かぐや(SELENE)は宇宙航空開発機構(JAXA)が2007年9月に打ち上げ、月を周回しながら最先端装置を駆使して月の起源や進化の解明に向けた観測を続けてきた。全球観測を終了後、08年11月からは後期運用に入り、今年2月以降は低高度で観測を続けてきた。
落下が予測されるのは月の東経80度・南緯65度付近。月の表側になるため、衝突時の閃光を観測できる可能性が「わずかに」あるという。
欧州宇宙機関(ESA)の「SMART-1」が2006年9月に月面衝突した際、ハワイ・マウナケア山頂の3.6メートル鏡で閃光の観測に成功している。かぐや衝突時の閃光は、小型望遠鏡などでの観測は「大変厳しい」という。
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