増毛、眼鏡、福笑いまで 顔写真が動いてしゃべる「MotionPortrait」のこんな使い道(2/2 ページ)
「何に使えばいいんだろう」――当初はこんな悩みもあった「MotionPortrait」が、さまざまな分野で活用されている。ゲームやiPhoneアプリから増毛シミュレーション、果てはモンタージュ写真まで!?
アプリでモナリザやグリコの看板も動く
MotionPortraitを活用したiPhoneアプリも話題だ。PhotoSpeakは発売翌日、日本のAppStoreの有料アプリランキングで1位となった。北米やイギリスでも人気で、売り上げの半分以上を海外が占めるという。「PhotoSpeakを知って、iPhoneを買いたくなった」「これを人に見せると絶対ウケる」――ユーザーがTwitterなどに書き込んだアプリの感想を見て、アプリを開発した同社の佐々木大地さんは「予想以上の反響」と喜ぶ。
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PhotoSpeakは、正面から撮影した顔写真をアップロードすると、十数秒〜2分ほどで3Dアニメ化。顔が左右に揺れたり、タッチした部分を目で追ったりする。アプリ上で音声を録音し、再生ボタンを押すと、音声に合わせて口を動かす。
顔認識の精度は、正面を向き、光が均等に当たっている写真を使うほど高まるという。記者も試してみたところ、お札の肖像画やリカちゃん人形の写真もぐりぐり動かせた。モナリザや大阪・道頓堀のグリコの看板を3Dアニメ化した様子をYouTubeに投稿しているユーザーもいる。
佐々木さんによると、人の顔だけでなく猫の写真も3Dアニメ化できる場合があるという。一方、アイドルのグラビア写真ではうまくいかなかったことも。「写真ががんがんレタッチされていたからかも」(佐々木さん)
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お気に入りの2次元キャラを3Dアニメ化し、好きなせりふをしゃべらせたい――こんな要望も多いそうだ。だがMotionPortraitでイラストの顔から特徴点を自動抽出するのは難しいため、PhotoSpeakでは認識に失敗することが多い。特徴点を手動で指定すれば、人間の顔以外も3Dアニメ化できるが、そのようなアプリの開発は未定だ。
今後はPhotoSpeakのAndroid対応を進める。アプリで作成した3Dアニメをネット上にアップロードするといった共有機能も充実させていく計画だ。
福笑いアプリに驚愕
PhotoSpeak以外にも、MotionPortraitを使ったiPhoneアプリを投入していく計画だ。昨年11月には、顔写真で福笑いを楽しめるアプリ「NullFace」(350円)を発売した。
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顔写真をアップロードすると、目や鼻、口などのパーツを個別に回転、拡大・縮小、移動させられる。iPhoneを振ると、パーツが顔から滑り落ちてのっぺらぼうになる。NullFaceでデザインした顔写真はメールで送れる。
記者も試したところ、パーツの位置を変えるだけで自分の顔が別人のように変身した。目を拡大してプチ整形気分を味わおうと思ったが、拡大しすぎて輪郭からはみだしたため、宇宙人のようになり大失敗だった。
その顔写真をメールで送り、PhotoSpeakで使ってみた。大きな目がギョロリと動き、まばたきする様子は、自分の写真ながら相当気持ち悪い。PhotoSpeakを知らない友人たちに見せると「不気味すぎる」「夢に出てきそう」と言われて散々だったが、飲み会などで披露すれば盛り上がりそうだ。
MotionPortraitで3Dアニメ化した女の子のキャラが、曲に合わせてダンスしたり、歌詞に合わせて口を動かすアプリも開発中だ。デモ版を見せてもらったところ、アップテンポの曲に合わせてキャラが動くたびに、おっぱいが“ぷるんぷるん”と揺れていたのが印象的だった。記者は公開を心待ちにしている。
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