開発に5年 米からパン作れる「GOPAN」誕生の裏側
「非常に苦労しました」――米粒からパンを作れるホームベーカリー「GOPAN」を商品化するまでの経緯を担当者が明かした。
「非常に苦労しました」――世界で初めて米粒からパンを作れる機能を備えたホームベーカリー「GOPAN」(ゴパン)は、三洋電機が5年間かけて開発した製品だ。9月30日に開いたGOPANのプロモーション展開発表会で、同社の担当者が商品化までの道のりを語った。
GOPANは、米粒を水にひたしてやわらかくした上で、粉砕・ペースト化。こねて発酵させ、焼成してパンを作る。7月の発表直後から話題になり、発表後5日間の商品サイトとニュースリリースページへのアクセス数は過去最多を記録したという。
発表後2カ月間で寄せられた問い合わせ件数は850件。当初予定以上の数量の確保を迫られ、発売日を1カ月先の11月11日に延期したほどだ。GOPANの味を体験できる「GOPAN cafe」(9月30日で終了)でも評判は上々だったという。
同社はこれまで、米粉からパンを作る「米粉ベーカリー」を販売してきたが、米粉は流通量が少ない上、比較的高価。「米粉より手ごろな米粒を使ってパンを作りたい」といった声が寄せられていたため、GOPANの開発に取り組んだ。だが「商品化は非常に苦労した」と、同社家電事業部の滝口隆久さん(製造統括部 副統括部長)は振り返る。
当初は、米粒を砕き、パンの原料となる米粉を作る仕組みで開発を進めていた。米の硬さに負けない刃物も研究。セラミック素材の刃物を使って米粒から米粉を作り、パンを焼いたところ、生地にセラミックの粉末も混ざってしまい、ジャリジャリした――という失敗もあったという。
3年間試行錯誤した後、米粒を砕く方法は断念。炊飯器を製造してきた経験から、米粒を水にひたしてペースト化する仕組みを考案して方針を転換。2年間かけてようやく商品化にこぎつけた。「おいしさにもこだわっている」と、滝口さんは胸を張る。
発売に向け、プロモーションを強化していく。イメージキャラクターに女優の江角マキコさんを起用し、10月2日からテレビCMを展開する。GOPANで作った米パンを試食できるイベントを10月8日から11月11日まで毎日、調理用品を販売する「クオカショップ自由が丘」(東京都目黒区)で開催。11月末には「クックパッド」で、米パンを使ったレシピを募集するコンテストも行う予定だ。
発表会には江角さんも登場した。「パンにはこだわっているほう」という江角さんは、GOPANの米パンを「目からうろこのおいしさ。とにかくびっくり」と絶賛。「これまでにホームベーカリーを買ってしまった人は残念だなという感じ。これからは迷わずGOPAN」と猛プッシュした。
関連記事
- コシヒカリがパンに変身、もっちもち! 「GOPAN」のパンを食べてみた
米から手軽にパンを作れるホームベーカリー「GOPAN」の味を体験できるカフェがある。24日からは北魚沼産コシヒカリの新米で作ったパンを試食できるイベントも。記者も食べてみた。 - 米からパン作れる三洋「GOPAN」、発売延期 前評判高く増産
お米からパンが作れる世界初のホームベーカリー「GOPAN」の発売が延期に。三洋によると、販売店からの取り扱い希望が急増で予定以上の数量確保に迫られているため。 - 世界初、米からパン作れる「GOPAN」 三洋から
三洋電機は、米から手軽にパンを作れるホームベーカリー「GOPAN」(ゴパン)を10月8日に発売。オープン価格で、実売予想価格は5万円前後。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.