年末商戦前倒し!? 10月のテレビ販売、例年の3.2倍
エコポイント減額前の駆け込み需要で、10月のテレビ販売は例年の3倍に。3Dテレビは、標準で眼鏡などが付かないソニーの“レディ”モデルが好調だ。
「年末商戦が前倒しでスタートしている」――市場調査会社のBCNによると、量販店での10月のテレビ販売台数は前年同月の3.2倍で、過去最高の伸びとなった。家電エコポイント制度でもらえるポイントが半減する12月を前に、11月が駆け込み需要のピークとなりそうだ。
特に30、40型台の伸びが著しく、「様子見だった人が一気に買い始めた」(BCNの道越一郎アナリスト)。ただ価格下落は続いており、金額ベースでは前年同期比2.3倍。11月には駆け込み需要のピークを迎え、台数・金額とも過去最大の伸びとなる見通しだ。
12月はエコポイントの付与率低下で「11月より若干鈍化する」予想。1月以降はさらに鈍化した後、3月に向け再上昇するとみている。
伸びる“3Dレディ”モデル
10月のテレビ販売のうち、3D対応テレビの台数構成比は3.0%。うち半数強が、3D専用眼鏡などを別売りにした、ソニーの“3Dレディ”モデルで、3D標準対応モデルより伸びが大きい。
「3Dで見られるコンテンツはまだ限られており、消費者にはすぐ買っても仕方がないという心理がある。別売りの3Dメガネも売れており、3Dレディテレビと眼鏡を別々に、という売り方は受け入れられているのでは」
地デジチューナー、平均5000円切る勢い
テレビ用チューナーの販売動向見ると、地上デジタル1波のみに対応した製品の9月の平均価格は4900円、10月は5100円と、5000円前後にまで下落している。
情報通信審議会(総務相の諮問機関)が2007年、5000円以下の簡易チューナーを販売するようメーカーに求め、各社は反発していたが、その後5000円前後の格安チューナーが続々と発売。「チューナーの価格は、当時、審議会が求めたレベルに来ている」と道越アナリストは話している。
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