楽譜が読めなくてもピアニスト気分!?――慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の研究成果発表イベント「Open Research Forum 2010」(11月22、23日、六本木アカデミーヒルズ40)で、紙の楽譜をカメラで撮影するだけで、誰でもピアノ演奏できるというシステムを試せる。
カメラを固定した台の上で、同大学院政策・メディア研究科修士課程の山本祐介さん(筧康明研究室)が、紙の楽譜を右から左に少しずつ滑らせ、撮影していた。そばのスピーカーからは「戦場のメリークリスマス」や「エリーゼのために」が聞こえてくる。
撮影した楽譜の画像を、あらかじめ用意した楽譜データベースと照合し、撮影した部分の音をスピーカーから流す仕組みだ。カメラの前で楽譜を動かし、連続して撮影すれば、メロディーを奏でられる。
記者もやってみた。楽譜を少しずつ滑らせていくと、ピアノの音色が聞こえる。楽譜を一定のスピードで動かして撮影し、テンポ良く演奏するのはなかなか難しいが、気分はすっかりピアニストだ。「楽譜を読めない人や楽器を演奏できない人もパフォーマンスを楽しめる」と山本さんは言う。
今後は、カメラに楽譜を近づけたり遠ざけたりすると音の強弱がつけられるようにする予定。楽譜を目で追ったり、指でなぞったりする動きに合わせて演奏できるシステムの開発も検討している。
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