新VOCALOID「歌手音ピコ」の体験版リリース 「音源公開禁止」に戸惑いも
ニコ動の人気歌い手をVOCALOID化した「歌手音ピコ」の発売を前に、無料体験版が公開された。ただ、「体験版で作成した音源の公開はできません」という規約に戸惑いの声も。
ソニー・ミュージックグループのキューンレコードは12月1日、VOCALOIDソフト「歌手音ピコ」(うたたねぴこ)の無料体験版をWebサイトで公開した。ただ、体験版で作成した音源・データの公開を禁止しており、当分は動画サイトなどで実際の声を聴くことができない状態。「VOCALOID文化にそぐわないのでは」と戸惑う声が上がっている。
同ソフトは、ニコニコ動画の「歌ってみた」で人気になり、10月にメジャーデビューを果たしたピコさんをVOCALOID化したもの。男性と女性、両方の声の特徴を併せ持つ「両声類」と呼ばれるピコさんの声で自由に歌わせることができる。「VOCALOIDオリジナル楽曲を歌ってきた『歌い手』がVOCALOIDになるという、初めての逆転現象」だ。
ソフトは12月8日発売(Windows XP/Vista/7、32ビット版のみ)。価格は1万5000円。
発売に先立ちリリースされた無料体験版は、インストールから5日間利用可能。作成した歌声のWAVE書き出しは可能だが、VSQデータの保存は不可。
体験版利用時の決まりとして、「『歌手音ピコ体験版』を使用して生成された合成音声を、商用/非商用を問わず公開又は配布することはできません。製品版に関してはこの限りではありません」とある。このため、体験版で作った歌声をニコニコ動画などで公開することはできない。
人気歌い手のVOCALOID化とあって期待度は高い一方で、体験版を使って早速データを作成して公開したクリエイターが、規約に気付いて削除した例も。公式サイトには同ソフトを使ったデモソングなどは公開されておらず、体験版をダウンロードしない限り実際の声を聴くことはできない状態だ。ネットでは「盛り上がりに水を差すやり方では」といった指摘が多い。
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