JR東の新幹線システム障害、原因は処理限度値のオーバー
JR東の新幹線運行トラブルを起こしたシステム障害の原因は、ポイント不転換が発端となって必要になった列車のデータ修正がシステムの限度値を超えてしまったためだった。
JR東日本の新幹線運行トラブルを起こしたシステム障害について、同社は1月18日、原因は、輸送障害の発生で必要になった後続列車のデータ修正数が、システムの限度値を超えたためだったと発表した。今後は修正時の入力方法を改善するほか、限度値を超えても問題が発生しないようにシステム改修を検討する。
トラブルは17日午前8時23分ごろに発生。新幹線運行本部総合指令室に置かれたダイヤ表示用モニター22台が、一斉についたり消えたりしたたため、全線の運行を停止。その後システムの正常作動を確認し、試験運転を実施した上で午前9時38分に全線を復旧させた。
JR東日本によると、この日午前7時に東北新幹線の新白河駅、午前7時43分に福島駅でポイントの不転換が発生したのが発端だった。障害発生により列車が駅間で停車するのを避けるため、24本の列車に対し各駅に停止させるよう、運行管理システム「COSMOS」への変更入力を午前8時ごろから短時間に実施した。
変更入力を行うと、予想ダイヤに対しデータ修正が必要な箇所を表示する仕組みになっている。例えば、「やまびこ1号」をA駅の1番線に停止させる場合、1番線に到着する後続の3号、5号、7号……は番線が重なるため、後続の各列車について「1番線に停止する」というデータを修正する必要が出てくる。これを「データ修正が必要な箇所」としてシステムが表示する仕組みだ。
COSMOSが2008年5月にリニューアルした際、予想ダイヤの範囲を従来の4時間先から終日に拡大した。データ修正が必要な箇所は1分ごとにチェックしている。その件数には限度値があり、データ修正が必要な箇所が600件を超えると、予想ダイヤを表示できなくなる仕組みになっているという。
この日、24本の列車に対し短期間で変更入力を実施したため、データ修正が必要な箇所が一時的に600件を超えてしまい、予想ダイヤを表示できなくなったのが今回のトラブルの原因だった。障害原因が不明ながら「自然復旧」したのもこのためとみられる。
対策として、今回のケースのようにデータ修正が必要な箇所が多く生じる入力を連続して行う場合、修正箇所を解消した上で新たな入力を行うように改める。またデータ修正が必要な箇所が600件を超えても予想ダイヤを表示できるようにプログラムを改修することを検討する。
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