Google、WebM向けクロスライセンスプロジェクトCCLを立ち上げ
HTML5のビデオコーデックをめぐるH.264陣営との戦いに向け、Google、Mozilla、Operaなど17社がコミュニティークロスライセンスのプロジェクトに集結した。
米Googleは4月25日(現地時間)、同社が中心となって進めるHTML5準拠のオープンソースビデオコーデックプロジェクトWebMが、関連特許をクロスライセンスするWebM Community Cross-License(CCL)を立ち上げたと発表した。
メンバー企業はWebMに関連する特許を互いに無料で利用できるようCCLに提供する。Googleほか2社は既に関連特許を無償提供している。CCLの立ち上げメンバーは、Google、Mozilla、Opera、Cisco Systems、AMDなど17団体。
WebMは、Googleが2009年5月に発表したHTML5準拠のオープンソースのビデオプラットフォームおよびそれを促進するプロジェクト。米Microsoftや米Appleが採用するHTML5向けビデオコーデック「H.264」はオープンソースではなくライセンス料が必要であるため、これに対抗するオープンソースのコーデックが必要だとして立ち上げたものだ。H.264を所有するMPEG LAコンソーシアムは、WebMのビデオコーデック「VP8」はMPEG LAの特許を侵害していると主張している。
WebM CCLの立ち上げに当たってGoogleは「CCLのメンバーは、高品質なコミュニティーベースのオープンソースメディアフォーマットがWebエコシステム全体の利益になることを認識し、この取り組みに参加している」と語った。
GoogleはWebM普及の目的で、自社のWebブラウザ「Google Chrome」でH.264のサポートを中止すると発表(まだ実施はしていない)したり、傘下のYouTube上の全動画をWebM対応に変換すると発表したりしている。
関連記事
- YouTube、全動画をWebM形式に変換すると発表
- MPEG LA、WebMの基盤技術「VP8」の特許を募集
- Microsoft、Google Chrome向けH.264動画再生プラグインをリリース
- Google、ChromeブラウザでのH.264サポート終了へ
- H.264のライセンス料、無料ネット動画は恒久的に不要に
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.