ヤマハ、よりリアルになった「VOCALOID3」発表 制作ソフト一新、API公開も(2/2 ページ)
ヤマハが歌声合成ソフトの新バージョン「VOCALOID3」を発表。歌声はさらにリアルになったほか、制作ソフトの一新、APIの公開なども。ヤマハはボカロ文化の支援も積極的に進めていく。
VOCALOID2の歌声ライブラリは、付属するインポートツールを使えばVOCALOID3 Editorから利用できるようになる。ただ、インポートできるのは一部のライブラリで、有料の場合もあるとしている。
VOCALOID3 Editorの対応OSはWindows XP/Vista/7。Mac OSへの対応は「Macは重視している。インタフェースなどをVOCALOID3に合わせた形にし、なるべく早い時期に」(剣持さん)。
VOCALOID3 Editorは「VOCALOID Store」で販売する予定。価格は未定だが、1万円前後を想定している。
歌声ライブラリには機能限定版の「Tiny VOCALOID3 Editor」が付属。編集可能トラックが1トラックのみ、最大17小節などの制限がある。
VOCALOID3 Editorと同時に、ヤマハは自社ブランドのVOCALOIDソフト「VY1」(女声)、「VY2」(男声)をVOCALOID3向けにリファインした歌声ライブラリを発売する予定だ。
さまざまなソフト開発が可能に
合成エンジンのAPI公開も始める。契約した個人・法人に対して仕様を公開し、新しい歌声合成ソフトの開発も可能になる。VOCALOID Job Pluginの仕様も公開し、独自プラグインを開発することも可能に。開発したソフトはVOCALOID Storeで配布できるようにする。
合成エンジン自体のライセンス提供も行い、歌声合成機能を使ったPCゲームソフトなども開発できる。
多言語対応が図られ、従来の日本語、英語に加え、新たに中国語、韓国語、スペイン語に対応。各国語のライブラリを用意すれば歌声合成が可能になる。今後対応言語は増やしていく。
秋には韓国のSBSグループが韓国語のVOCALOIDソフトを発売する予定だ。
VOCALOID文化醸成にも積極的に
これまでヤマハはVOCALOID技術とソフトの開発というモノ作り中心だったが、今後はVOCALOIDカルチャーの支援・強化も積極的に展開していく。
4月にはVOCALOID Storeを運営するビープラッツに委託し、VOCALOIDクリエイター向けに楽曲の著作権管理を請け負う企業「自主制作コンテンツ出版管理機構」を設立し、このほど活動を始めた。VOCALOID開発者の剣持さんもアドバイザーとして活動に携わる。レーベル機能も持ち、CD制作や販売にも関わるほか、権利関係の知識の普及や、クリエイター同士の情報交換も支援していく。
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