ボカロ曲の著作権管理会社、ヤマハの委託で設立 収益化を支援
VOCALOID楽曲の著作権管理などをクリエイターから請け負う「自主制作コンテンツ出版管理機構」が活動を開始。楽曲制作者の収益確保を支援する。
VOCALOIDで作成した楽曲などの利用開発と著作権管理を行う企業「自主制作コンテンツ出版管理機構」(VOCALOID MUSIC PUBLISHING:VMP)が、6月8日から活動を開始した。VOCALOID関連ECサイトを運営するビープラッツがヤマハの委託を受けて設立。VOCALOID楽曲などの制作者がコンテンツ利用への適切な対価を得られる仕組みを構築し、クリエイターを支援する。
音楽業界では、アーティストの楽曲は音楽出版社が著作権を持ち、出版社が日本音楽著作権協会(JASRAC)などに権利を委託することで著作権使用料の分配を受ける仕組みが一般的。だが多くのVOCALOIDクリエイターはこうしたスキームを使っていないため、カラオケ会社などが著作権使用料の支払いの条件として「著作権管理事業者による楽曲著作権の管理」を挙げているケースの場合、利用はされていても楽曲使用料の支払いを受けられない場合がある。
VMPはクリエイターから著作権管理業務を請け負い、楽曲ごとに支分権(著作権の各権利)と利用形態について管理。著作隣接権や、楽曲に付随するイラストや動画についても細かく管理を行うという。JASRACに部分信託し、楽曲利用で適切な対価を得るためのスキームも用意している。
また既にVOCALOIDコンテンツを管理している音楽出版社と連携してコンテンツデータベースを公開するなど、楽曲の利用者にアクセスしやすい環境を作り、利用機会を増やしていく。
VOCALOID STOREなどでの楽曲販売のほか、VOCALOID曲の利用促進を目指し、テレビ番組やイベントとの連携といった企画も進めていく。
クリエイター同士の情報交流促進を図り、クリエイター同士で権利関連の知識や情報なども共有ができる無料SNS「ボカロ互助会」を年内に公開する予定。
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