パナソニック、最終赤字7721億円 今期はテレビ改善、黒字転換へ
パナソニックの最終赤字は7721億円と、国内製造業としては過去最大の額に。今期はテレビ事業などで大幅改善を目指し、500億円の最終黒字を見込む。
パナソニックが5月11日発表した2012年3月期の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が7721億円の赤字と、国内製造業としては過去最大の赤字額となった。今期はテレビ事業などで大幅改善を目指し、500億円の黒字へと転換を見込む。
売上高は前期比9.7%減の7兆8462億円。営業利益は85.7%減の437億円(前期は3053億円の黒字)にとどまった。デジタル製品を扱うAVCネットワークスは売上高が21%減の1兆7135億円、営業損益は678億円の赤字(前期は273億円の黒字)。ノートPCなどが前期を上回ったものの、薄型テレビやデジタルカメラが減少。売り上げ減に価格下落の影響がのしかかり、営業赤字に転落した。
税引き前損益は8128億円の赤字(前期は1788億円の黒字)。完全子会社化した三洋電機ののれん代償却負担も重く、巨額の赤字となった。
テレビ事業で損益大幅改善へ
今期は売上高8兆1000億円、営業利益2600億円、最終利益500億円(前期から8222億円改善)、フリーキャッシュフロー1000億円(前期から4399億円改善)と損益面で大幅な改善を見込む。
懸案のテレビ事業は構造改革成果を生かし、不採算モデルを大胆に絞り込む一方、大画面モデルや「スマートテレビ」の世界展開、コストダウンの徹底で約1300億円の営業損益改善を見込む。年間販売数は1550万台(前期は1752万台)と前期比減少となる見通し。
パネル事業は固定費削減や非テレビ分野へのシフトで収支改善を図っていく。デジタル製品を扱うAVCネットワークスは黒字化を必達とした上で、非テレビ・非コモディティ事業へのリソースシフトと次世代の柱となる事業の創出を図っていく。
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