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「はやぶさ」「イカロス」プロジェクトチーム解散 「当初の目的を達成」
JAXAの「はやぶさ」「イカロス」プロジェクトチームが、「当初の目的を達成するとともに、プロジェクト業務を全うしたと認められた」として解散。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は3月28日、小惑星探査機「はやぶさ」と、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」(イカロス)の両プロジェクトチームを解散すると発表した。プロジェクト終了の審議に付され、「当初の目的を達成するとともに、プロジェクト業務を全うしたと認められた」という。
はやぶさは、2003年5月に打ち上げ、2年半かかって小惑星「イトカワ」に到達。さまざまな困難を乗り越え、10年6月に、イトカワの微粒子を収納したカプセルが地球に帰還した。今後、はやぶさが持ち帰った小惑星サンプルを維持・管理するキュレーション業務は、宇宙科学研究所に移管する。
イカロスは、ソーラーセイルを張って太陽光(光子)を受けて進む“宇宙ヨット”。10年5月に金星探査機「あかつき」とともに打ち上げられ、6月、宇宙でセイルを全展開し、薄膜太陽電池による太陽光発電を実現。12月には金星から約8万キロの地点をフライバイし、金星の撮影に成功するなど、当初予定していた実験をすべて終えていた。
はやぶさの後継機となる「はやぶさ2」は11年5月にプロジェクト化されており、14年度の打ち上げを目指している。はやぶさ2には一般からの寄付金約1900万円を使って小型カメラ1台が追加で搭載されることが決まった。
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