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“サブカル知事”岩手の文化発信を漫画・ネットで Twitterでイベント誘致、ゆかりの漫画家とコラボ(2/2 ページ)

7月14日に岩手県・洋野町で開催された「ニコニコ町会議」。会場内の岩手県庁によるブースでは、岩手を漫画で盛り上げる「いわてマンガプロジェクト」が紹介された。Twitterでの発言が“サブカル知事”と話題の達増拓也知事が推進するソフトパワー戦略とは。

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岩手の魅力をマンガで発信

 既存のツールを活用するだけでなく、独自の取り組みも行う。会場の岩手県ブースで紹介していたのは、2009年に始まった「いわてマンガプロジェクト」。漫画を活用して岩手の文化や景色などの魅力を伝える地域振興施策だ。

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「コミックいわて」。全国の書店で購入できる。帯には「岩手県知事責任編集」の文字が

 成果の1つが単行本「コミックいわて」の出版。岩手県ゆかりの漫画家が岩手をテーマに描いた漫画をまとめており、現在2冊刊行している。「伝染るんです。」の吉田戦車さんや「ときめきトゥナイト」の池野恋さん、「ドラゴン桜」の三田紀房さんなどが参加し、かわぐちかいじさん、いくえみ綾さん、宇仁田ゆみさんなどがイラストを寄せる。全国の書店で販売しており、2011年に刊行された1巻はすでに第3刷を重ね、計3万6000部を発行している。

 「世界遺産となった平泉をはじめ、歴史や食べもの、文化や自然など岩手が日本や世界に誇れるものを積極的に発信したい。親しみやすく、多くの人に魅力を伝えられる漫画は最適な手段の1つ。『岩手いいところだね』と思ってもらい、観光や産品の購入につながれば」(岩手県秘書広報室副室長の保和衛さん)

 発信だけでなく才能の育成にも取り組む。県が主催する「いわてマンガ大賞」は現在第3回の応募作品を受付中。若手漫画家の育成を目的とし、「岩手県を題材にしたオリジナル漫画作品」を県内外を問わず募集する。大賞受賞作は、県が運営するWeb漫画サイト(秋ごろにオープン予定)と単行本に掲載される予定。今後はグラフィックや音楽、ゲームなどデジタルコンテンツの分野に対しても支援していきたいという。

 「今回何を出展するか悩みましたが、このプロジェクトを紹介することにして本当によかった。来場者から『この漫画家さん岩手出身なんだ』『こんなコンテストやってたんだ、知らなかった』という声をいくつも聞けた。地方では若者が集うイベントも少なくなる中で、届いてほしいところに届けられた手応えを感じた」(保さん)

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有名漫画家の原画を紹介する岩手県庁ブース(ニコニコ町会議)

 東日本震災を受け、「漫画どころじゃない」とプロジェクト自体が止まった時期もあった。「でも、改めて立ち止まって未来を考えた時、これからを生きる若い人たちこそ応援したいと思った。まだ復興が道半ばなのも現実だが、だからこそ県内外から岩手に目を向けてもらいたい。『岩手、“プレミアム知事”が面白いことやってるな』と見守ってください」(保さん)。

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